第206話 僕は大変に身体に良い。薬膳料理にも使用されるくこの実(2)

 そう、幼い頃の絵里ちゃんの、仲の良かった頃の家族……。絵里ちゃんとお父さん、すみれさんのことを大変に嬉しそうに。お父さんと絵里ちゃんには接客。すみれさんには接待かな?


 だって絵里ちゃんのお父さんへは、


「お兄さん、これ食べて」と、【ウコンパンプ】と、【竹炭豆】の試食が入った。入っているプラスチックの小箱を指差すだけで、絵里ちゃんのお父さんの顔も見ていない状態でね。絵里ちゃんの方も余りかわらない状態で。


「お嬢ちゃんこれをあげよう……。食べてみて」と声をかけ。


 彼女が今でも大変に大好きな【芋けんぴ】を食品トングで摘まんで渡すのみでね。やはり絵里ちゃんのことは見ていない。それは今でも変わらない。JKになり成長をした自身の胸の谷間と下着をチラつかせ魅せても。未だに家の怖い顔のおじさんは。絵里ちゃんがこの時、彼女の幼少期の頃の、可愛い少女だった頃で停滞しているみたいだ。


 だってJK小悪魔絵里ちゃんの妖艶、官能的な悪戯に対しても素知らぬ振り。無関心で、「あああ」と返事だけして流し。今も黙々と作業、店出しをおこなっている状態だから。


 でも、絵里ちゃんのお母さんであるすみれさんに対しては、何となく違う。違うのだと思う。



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