第49話 おじさんとJK(36)

 自分自身は一人で呆然、佇んでいる状態……。



 まあ、一人寂しく離れで立つ、と、言うか? 待ちぼうけをくらっているのが面白くはない。



 と、なれば?



 絵里ちゃんのお父さんの口からでる言葉はね。


『お~い、何をしている~? もう行くぞ~』


 と、なる訳だよ。


 それもさ、絵里ちゃんのお父さんは、不快感を募らせあらわにしながら自分家の女性陣二人へと声をかけるようになる。


 また、そうなれば? 自身が立っている道の駅の店頭販売ブースの売り場の先を急ぎ足で進む人達の波から。やっと一組の人の足を止め──。自身の売り場の販売台へと寄せたことが無意味になる。


 だって絵里ちゃんのお父さんが、『お~い、何をしている~? もう行くぞ~』の台詞──。


 特に『行くぞ~!』を自身の口から発動してしまえば、いくら上機嫌でいる女性陣二人……。




 まあ、幼い頃の絵里ちゃんとお母さんなのだが。家の主さまへと呼ばれれば致し方がないと思いながら、ではないね?



『……ん? 何? パパ~?』


『どうしたの? あなた~?』と。


 二人は声を漏らしながら。何も思案をすることもなく素直に、我が家の主さまの許へと帰還をすることになる訳だから。


 僕達の怖顔のおじさんは、それ……。




 そう、その行動を阻止しないといけない訳だ。

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