第197話 僕は超珍しい漢【ウコンパンプ】(62)

 だってこの後は、隣の爺さんのワンマンショー。ショーが、ここで、この場でおこなわれるから。隣の爺さんの周りに居る。集まっている。集っている者達。隣の爺さんの信者になったお客様達の集まり。人の波が切れるまで、俺【ウコンパンプ】達や家の怖い顔をしたおじさん……どころではないからね。リアルで、リアルで仕事にならない。ならいのだ。


 これが隣の爺さん。齢九十二歳の爺さん【竹輪のおじさん】の手口。商い。商売トークと言う奴、テクニックの一つだからね。


 この後は、この道の駅の店頭販売ブース、売り場、だけではない。店内の販売業者が「うむ」、「あああ~」、「流石おじさん……」、「竹輪のおじさんだ!」と、舌を巻く。と、いうか? 皆が沈黙、呆然とするような販売テクニックとトークショーが始める。始めるから。


 この場にいる者達……。



 まあ、お客様達だけれど。己の、自身の、各自各々の財布から最低千百円は消えうせ、無くなる事間違い無いのだ。


 もうそれこそ? こんな状態になれば、隣の爺さんは、武田信玄公の風林火山ではないが。早き事風の如しで。この場にいるお客様達へと、次から次へと、竹輪をホットプレートで軽く炒める。温めた物を輪切りにする。して。した物を。


「ほら、ほら、食べろ! 食べてみろ!」


「食べてみー!」と、強く、急かすように言葉を漏らしながら。強引に次から次へとお客様達へと輪切りの竹輪を手渡ししていくのだ。ちゃんと、ビニール手袋をしたしわくちゃな掌でね。




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