第199話 僕は超珍しい漢【ウコンパンプ】(64)
でっ、入れ終わり。それを確認すれば直ぐに、「どうだ? 美味いだろう?」、「どう? お客さん? 美味しいでしょう?」、「お客さん、美味いじゃろぅ~?」と、明るい声色で問うのだ。
まあ、隣の爺さん、【竹輪のおじさん】の場合は、結構重たい声音と真剣な目で、お客様達に問う事も多々あるのだが。基本商い。販売業は、『ニコニコ』明るく。緩やか、穏やかな口調と声音で、お客様達へと接する方が良い。お客様あっての商売だからね。と、説明をしたところで、次だ! 次! 次へ行こう! と、いうことで、隣の爺さんがお客様に声をかけ問う。と、説明をしたところで、他のお客様達が、「美味い!」、「美味いわ! おじさん! この竹輪!」
「この佃煮!」と、声を出す。漏らす。それも大袈裟に叫ぶ、お客様達が出る事もある。あるのだ。
まあ、当たり前の事だけれど。その場合は? 先ずは、そのお客達へと視線を変えて、「そうだろう! 美味いだろう!」、「ほうじゃ、ろ~。美味いじゃ、ろう~!」と、問いかけて。
「うん!」
「美味い!」
「美味いぞ!」
「美味しいね、これは……」と、お客様達を頷けせ、舌を唸らせると。また最初のお客さん、狙った獲物は逃がさない。逃がさないよ。と、言った感じで。
「どうや、お前? 美味いだろう?」と、竹輪のおじさんは、最初にターゲットと決めたお客様へと問いかける。
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