　家の怖い顔をしたおじさん自身も。この個人商店の商い。物品販売、販売の歴が三十年以上になる。なるのだが。

　家の怖い顔のおじさんが、『上手い！』、『上手いな！』と思う者。

　そう、物を売る。販売する事が大変に『上手い！』、『上手いな！』、『大変に上手だ！』と、己の舌を丸めながら絶賛。

　そう他人を絶賛、『売る』、『販売をする』、『買わす』、『購入させる』のが上手だと褒め称えた人物は、今迄二人ほどいた。いたのだ。

　と、いうか？　いるのだが。

　その中の一人、人物に相当する者になる。なるのだよ。

　まあ、一人目は、家の怖い顔のおじさんの販売の師、師匠である二人の人物の一人である実の父親になるのだが。

　もう一人の人物がね、この爺さん、というか？

　隣の齢九十二歳になる爺さんなのだよ。

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