第46話 おじさんとJK(33)

 だから絵里ちゃんの若いお母さんも「お姉さんもどうぞ」と、僕達のおじさんに声をかけられながら。僕【芋かりんとう】を食品トング越しから手渡されると。


 先程──。



 そう、最初に親子三人で仲良く並んで歩いていたところ。娘の絵里ちゃんが僕【芋かりんとう】の素晴らしい容姿に気が付き、歓喜の声をあげた時の後に。僕達の怖顔のおじさんから。


「さぁ~、どうですか~?」と。


 僕【芋かりんとう】を差し出しながら声をかけられた時は、絵里ちゃんのお母さんは、嫌悪感を示した表情をしていたのに。


 僕達のおじさんから『お姉さん』と呼ばれて大変に御機嫌麗しい様子になっているのが。僕【芋かりんとう】の目から見てもありありとわかるぐらい。絵里ちゃんのお母さんは大変に機嫌が良い。


 だっておじさんから食品トング越しに手渡しされた僕【芋かりんとう】素直に受け取ったのだ。


 それも大変に嬉しそうに、「すいません」と、声を漏らしながら受け取り、ルージュで濡れ、艶やかに輝く唇を開いて──僕【芋かりんとう】のことを『パクン』と、艶やかな大人唇で挟み──。食感、甘み、味わいを嬉しそうに堪能し始めるのだよ。


  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る