第79話 俺は暗黒神! 竹炭豆様だ!(14)

 俺様【竹炭豆】を『ウマウマ』と、絶賛しながらなぁ……だけではない。


 俺のこの丸くて黒い容姿を絵里の小さくて可愛い指でまた掴んで待ちあげてだ。


「おじさん。絵里もママと一緒で、もう一つもらって食べていい?」


 天使の微笑みを浮かべながら、家のおじさんへと訪ねてきたのだ。


「……ん? いいよ。食べて、食べて、お嬢ちゃん……」


 まあ、こうなるよな、家のおじさんも、この話しの冒頭シーンの時のような、JK小悪魔仕様でニヤリと己の唇の端を吊り上げ、苦笑しながら。


『おじさん、もらうね~』と。


【芋かりんとう】の奴を指で摘まんで、自身の口へと運ぶ、小悪魔絵里ではなくて、過去の可愛い頃……。



 そう、天使仕様の絵里に、家のおじさんは、自身の怖顔が緩んでしまうような微笑みをもった訳だから。


 その対価の代償として、俺様【竹炭豆】を天使仕様の絵里に一粒差し出す事を苦とは思わないから。


『食べて』と告げる。告げると絵里は、ママやパパのように、子供らしく遠慮……。周りを歩行する人の波等、気にもとめずに、自身の可愛い唇へと、俺様【竹炭豆】を移動──『パクン』だ!



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