第78話 俺は暗黒神! 竹炭豆様だ!(13)

 御機嫌麗しい声が漏れてくる。


 そう、漏れて呟かれると言うことは?


 絵里のママは、己の麗しい顔の眉間に皴を寄せ不快感を募らせ、強張った表情をしている。


 いや、するのを辞めて彼女は、己の顔を緩ませ、穏やかな表情──麗しい。


 そして、美しい顔、表情へと変化をさせる。


 またそんな美しく優しい絵里のママの微笑みを凝視すれば、家の怖い顔をしたおじさんの頬もポッだ! 日焼けした浅黒い肌が桜色に染まっていく。


 と、言いたいところなのだが。


 家のおじさんよりも、ママの娘である絵里の方が嬉しそうだよ。


 だって俺達のマドンナは、大変に嬉しそうに綻んだ顔と声色でね。


「ママ~。本当に美味しいよ~。その黒い豆さん……。絵里始めて、その黒い豆さんを食べたけれど。こんなにも美味しい物だと思わなかったよ」と、


 ママ、だから食べてみてと、また説明をする。



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