第201話 僕は超珍しい漢【ウコンパンプ】(66)

 だから隣の爺さんは、最初に狙った口の悪いお客様へと直ぐに言葉をかける。

 そして家の怖い顔のおじさんの場合は? 話しをかなり前、冒頭シーンぐらいまで戻す。戻すから、ごめんよ。皆と告げた所で。家の怖い顔のおじさんの場合はね。早くこの場、売り場、販売ブースから退散をしたい。したくて仕方がない。絵里ちゃんのパパさんなのだ。


 そう、只今、と、いうよりも。過去の話し、物語だから。


 家の怖い顔のおじさんの売り場、販売台に近寄っているのは、今のJK小悪魔使用の絵里ちゃんではなく。未だ幼い頃の可愛い絵里ちゃんと、未だピチピチ若々しいボイン~、ボイン~な頃で、やっと大人になったかな? と、いった容姿の頃の麗しい絵里ちゃんのママさんと。先程から早くこの場から逃げたい。立ち去りたくて仕方がない思いで一杯のパパさんでね。そんな様子のパパさんに俺【ウコンパンプ】を魅せ、チラつかせながら試食を出すのだ。


「お兄さん。これは【ウコンパンプ】と言って、身体に大変に良いとされている上に、二日酔いにもいいとされているウコンを、パンプキンシードに特殊加工で包んでコーティングをした商品でね。この日本ではここしか購入できない。儂しか持っていない珍しい。変わった商品だけど。お味の方は大変に良く美味しい人気商品……」なのだと、絵里ちゃんのパパさんに説明をする。でも? 家の怖い顔のおじさんの言葉、台詞は、これで終わりではないのだ。



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