第203話 僕は超珍しい漢【ウコンパンプ】(68)

 だから取り敢えず家の怖い顔のおじさんは、「でも、美味いじゃ、ろう。お兄さん?」と、再度訊ねてみる。


「うん、美味しい。美味しいよ。おじさん……。ウコンのエキスがついている。コーティングしているのに。この【ウコンパンプ】からは、全くと言って良い程苦み。苦みを感じないから大変に食べやすい。食べやすよ。この【ウコンパンプ】、お菓子は……。だからビールのあて、つまみにいいと思う【ウコンパンプ】はね」


「そうじゃ、ろう。お兄さん」


「うん」


「じゃ、買うてぃやお兄さん。お姉さん……。特に【ウコンパンプ】の中に入っている原料のパンプキンシードは、女性には美容、ホルモンのバランスがよくなると言われているから。お姉さんのようなベッピンさんは、更にベッピンになること間違い無いし。お嬢ちゃんもベッピンさんになること間違いないから食べんさい」と。


 絵里ちゃんのパパ、男性陣が駄目ならば、家の怖い顔のおじさんは、今度は家の女性陣、絵里ちゃんのママと。絵里ちゃん自身を、己の身方。こちら側寄りの人間にする。なるようにトークを入れていくのだ。優しい声音で、絵里ちゃんのママと絵里ちゃん自身に、『美しい』、『綺麗ですね』、『可愛い』と。


 だから俺【ウコンパンプ】を食べれば、更に『美しく。綺麗に。艶やかになれます。なれますよ。貴女達ならばぁ~』と囁く。まではしないけれど。(笑)


 まあ、俺【ウコンパンプ】は、大変に身体に良く。女性には美容、ホルモンのバランス調整にも良い物だと説明をすれば。


「えっ? そうなのおじさんと?」と、絵里ちゃんのママはノリ良い女性だから。直ぐに話し。会話に乗ってくるのだ。……だけではないよね。俺達、怖い顔のおじさんの商品アイテム達のアイドルであるJK小悪魔使用の絵里ちゃんは、彼女の容姿を見れば分る通りで。自分自身の容姿と身なりには大変に気を遣う少女だからね。それは今も過去も変わっていないのだ。


「おじさん?」


「ん? 何、お嬢ちゃん?」


「絵里もこの【ウコンパンプ】を食べたら。ママみたいに綺麗になるかな?」と。


 家の怖い顔のおじさんへと、可愛く笑みを浮かべながら尋ねくるから。


「うん。なれるよ。きっとなれる」と。


 家の怖い顔のおじさんは、今度はいつもの『キモ笑み』ではなく。本当に心から優しい笑みを浮かべ、幼い頃の絵里ちゃんへと言葉を返したのだ。


 だから絵里ちゃんはこの後、「ママ買ってよ。買って~」と。


「パパ買ってよ~。買って~。絵里に~」と。


 両親に子供らしい甘え声色で嘆願を始めだす。



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