ep15 罪人インセール
水の跳ねる音がバシャバシャと大きな音を立てて近づいてくる。
蹴りか尻尾かテーザーか、杖か。
目で確認できない以上、もはや運で決め撃つしかない。
「杖だろ!」
銃を、杖を持った右手を振り下ろす動きに対して受け止めるように盾にする。
「なに!?」
しっかりと受け止めた感触がある。
「神は俺に微笑んだらしいぜ!今だろ!?」
銃を片手で持ち左手をフリーにする。
視界のない中、受け止められた驚愕に染まった一瞬のスキを利用した攻撃。
確実に、勝利の女神はこちらに微笑んでいる。
「“インパクト”!」
銃が薄く光る。
冷静さを失っている今のこの瞬間、そちらに視線は釘付けになる。
「だからこそ!」
左の拳を振るう。
知覚外からの一撃は確実に相手の心に刺さるのだ。
“次はどっちだ”という思考として。
そしてその思考の裏で、避けねばならない一撃を誤るのだ。
「“こう”だろ!?」
顔面を殴った感触が、相手の右手を教えてくれる。
どこに右手が存在するのかを理解できる。
杖を弾き飛ばすための拳。
目を開くための一撃。
その一撃が勝負を決める。
「可愛い顔してるじゃねぇか!えぇ!?」
杖を奪われ、驚愕と焦りに歪む絶望の表情。
怪物となり果てた彼女ですら、敗北を悟る瞬間が来る。
「台無しにしてやるよ!お前の全部!」
正面から顔面を鷲掴みにして押し倒す。
「“ストンプ”!」
グシャ、という感触と共に彼女の口から空気が漏れる。
靴底によって奪われた視界を取り戻そうともがくも5秒は掛かる。
バタバタと手足を振るおうとするも、決して動きはしない。
「アァ!どけぇ!」
そうしてもがいて、もがいてもがいて何とか目を開いた彼女の視界に広がるのは赤い銃口。
「ゲームセットだ。“インパクト”。」
轟音が響き渡る。
一瞬音が消えてなくなったかのような感覚の後、衝撃が部屋を揺らす。
【SUB STORY QUEST】
【下水の姫と小さな翼】
【EXPERT LOOT】
【EVENT BOSS BATTLE】
【罪人】
【インセール】
【BATTLE ENDED】
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