ep10 もう一つのペアリング
【SUB STORY QUEST】
【絶望抱く高潔の称号】
【このクエスト中は自動配信がオフになります。】
【クリア時公式サイトにて攻略風景が配信されます。】
【また、サーバー内でクリア者が出た場合、以降このクエストは消滅します。】
【SUB STORY QUEST START】
そのアナウンスはサブクエストの開始アナウンスだった。
「おい、アルア。」
「あぁ、こんな感じなんだサブクエストって。」
「やったことないのか?」
「ボクはないね。和雨さんとショコレータ位だよ?EXPERT LOOTでクリアできる人なんて。」
「そうなのか?」
「EXPERT LOOTへ一度派生したクエストは再発生しないってことがわかってるからね。ストーリーの存在に気づき、ストーリーを進めてEXPERT LOOTの条件を見つけ、それをサーバー内で一発勝負なんてそうはいかないよ。」
「なるほど。でも正直二度目の方は今でも条件がわからなかったけどな。」
「まぁ、聞くだけ聞いてみようよ。」
二人の相談が終わると、ミスティは話し始めた。
「まずはこれを見ていただきます。」
そう言って差し出したのは小さな箱だった。
「ゲンデイール将軍が我が家に残した”遺産”です。」
「遺産?」
「この小さな箱が?」
「この箱が届けられた当時、この箱に何が入っているのか、それは我が家にもわかりませんでした。しかしゲンデイール将軍が最後の争いに向かったのち、彼の部下から渡された箱です。」
「中身は?」
「小さな指輪。それも彼が着けていたものではなく、しかもペアリングだったのです。」
「……?ペアリングってことは指輪が二個入っていたんだよね?」
「そうです。彼がなぜこれを残したのか、なぜ目覚めないのか、それはおそらくこの指輪が原因だと私は思うのです。」
「つまり、それの正体?を調べればいいのか?」
「えぇ、とはいえこの街の中は大体調べつくしたと思います。実際に争いがあった大陸の方を調べないといけないと思うので……。」
「場所くらいは教えてもらえるんだよな?」
「もちろん。大陸へ行く魔族たちはどうせ”神の遺産”のある場所にしか行きませんから……あなたたちのような魔族でない方にしか頼めないのです。」
そう言って彼女は地図に印をつけて手渡してくれた。
「”神の遺産”っていうのは?」
「あぁ、あなたたちは魔族じゃありませんものね。えっと……確か大陸では”神秘の欠片”と呼ばれているのでしたっけ?」
ここで新情報か、と思いながら質問を繰り返す。
「なんで”神の遺産”なんて名前なんだ?」
「いえ、名前の通りですよ。神が存在した証……としての意味しか今はありませんとも。」
「誤魔化さないでくれ。”神の遺産”が力を与えるのは知っているんだよ。」
「……何のことやら。」
”神秘の欠片”のことは秘密になっているのか?
「俺達はこう見えて二人とも称号もちだぞ?”神の遺産”がどんな力を持ってるか知らないわけがないだろう?」
「はぁ。まぁ、それならいいですけど。でも言葉の意味しかありませんよ。神の遺体と言うのを柔らかく言っただけなんですから。」
神の遺体と言う言葉に、アルアとショコレータは驚愕した。
「”神の遺産”…… ”神秘の欠片”は神の遺体なのか!?」
「あぁ、知らなかったんですね。アレは天族が殺し、地上に投げ捨てた神の遺体の成れの果てですよ。そんなものを取り込んだのなら、まぁ気分もよくないでしょう。」
情報が多い。
後で情報を整理しないといけないだろう。
「ま、まぁわかった。とりあえずこの地図の場所に行ってみるよ。」
「まさか称号もち二人が協力してくれるとは思っても見ませんでしたね。よろしくお願いします。」
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