ep27 その銀星に手をのばせば
ゲンデイールの墓がある公園にその男は居た。
まるで子供のように手の中のメダルを転がして遊んでいる。
「さてさて……俺の予想が正しければ、これでいいはずなんだがな?」
ショコレータはメダルを弾きながら一人、自分の予想を話す。
「まず、ゲンデイールは天族の街に産まれた魔族と天族のハーフだった。」
――キィン!
――パシッ!
「子供のゲンデイールは天族の母親に虐待されながらも二人で生きていたはずだ。」
――キィン!
――パシッ!
「しかし母親と子供なら先に死ぬのは母親だろう。一人になったゲンデイールは【罪人】インセールと出会い、愛し合った。」
――キィン!
――パシッ!
「だが、ゲンデイールは魔族の特徴である尻尾や強靭な足腰によって周囲から疎まれていたはずだ。」
――キィン!
――パシッ!
「だからインセールの持つ指輪、白銀茨のエンゲージリングは【もしも私が】という魔族の特徴を得る効果だった。ゲンデイールと結ばれるには自分も同じ姿でなければと考えたんだ。」
――キィン!
――パシッ!
「だが、ここで重要なのは“インセールは天族”ということだ。当然、天族でインセールを愛していた男がいた。【金壁八双】プロモテウス……恐らくインセールを殺したのはこの男だ。インセールをたぶらかしたゲンデイールと戦い敗北した男。」
――キィン!
――パシッ!
「彼がインセールを殺し、地上にインセールを捨てた後、ゲンデイールはインセールを追うように地上へ降り、メンデール家の家臣となって天族と戦った。」
――キィン!
――パシッ!
「そんなゲンデイールはプロモテウスを殺して満足したんだ。だからメンデール家に
――キィン!
――パシッ!
「だからゲンデイールは自分の力で自身を封じた。力で劣るメンデール家に従う必要が無い事に気づいていたんだ。」
――キィン!
――パシッ!
「さ、そうなるとゲンデイールを起こすのに必要なのは何か。」
さっきから指で弾いてはキャッチしているメダル。
【メンデール家のメダリオン】
メンデール家の紋章が刻まれたメダル状の証。
メンデール家の家宝であり、特殊な効果はないもののそれを持つものがメンデール家の家長であることを示す。
「こいつを……。」
――パキィン!
二つに割ったメダリオンをゲンデイールの墓、その後ろのオブジェへと投げ込む。
【SUB STORY QUEST】
【絶望抱く高潔の称号】
【EXPERT LOOT】
【EVENT BOSS BATTLE】
【条件を満たしたためEXPERT LOOTへ派生します】
【報酬が変化します】
【難易度が上昇します】
【絶望を抱いた少年は】
【再び絶望に身を落とす】
【金を求めず銀に妥協し】
【銀を纏って星となる】
【復讐を誓った銀星は】
【将となっても空を見る】
【その向こうに愛を見て】
【その向こうへ手を伸ばす】
【禁断の愛を求めたもの】
【【銀纏星将】ゲンデイール】
【彼の心に救済を】
【己が神であるならば】
【報われぬ魂に救済を】
【この世界に救済を】
【かの罪人へ救済を響かせよ】
【それこそ響界独神の務めであり】
【汝の信じる神となる】
【BATTLE START】
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