ep6 革命
断裂次元”ジェスの研究室”。
「ミスティカ・アナザーワールドであの男が戦闘を始めたらチャレンジ開始だ!」
目の前には球体のオブジェ。
ミスティカ・アナザーワールドのサーバーとも言うべきオブジェ。
この球体こそミスティカ・アナザーワールドそのものなのだ。
「さぁ、始めろショコレータ・ショコランティエ!そうしたら俺がお前の全てを奪ってやる!」
モニターに映し出されているのはショコレータ・ショコランティエの配信画面。
今回はその画面を食い入るように見つめる。
今までその配信画面を真面目に見ることなぞ無かったのにこうして1リスナーとなってその映像に魅了されたかのように熱い視線を向ける。
「何ラーメンなんか食ってるんだお前はぁ!駄目じゃないかちゃんとリスナーを楽しませなくちゃぁ!さっさと戦闘に入るんだよ!」
ずるずると麺を啜るショコレータを見ていると腹が減ったのかジェスもカップ麺にお湯を注ぐ。
「あぁ、そうだ、いいぞショコレータぁ!天族に喧嘩を売れ!今売れ!さっさと売れ!」
そして天族が取り囲んだ瞬間、ジェスは歓喜の雄たけびを上げる。
「ウオッシャァァァァァァ!よくやった天族うぅぅぅぅぅぅぅぅ!いよっしぃ!シャァ!オラァ!」
叫んだジェスは急ぎ、魔術を発動させていく。
「こうして、こうやって、こうで、こう!ホラホラホラホラホラァ!」
そうして出来上がった魔術を発動させると目の前にミスティカ・アナザーワールドの筐体が現れる。
そしてそこに眠る一人の人外。
「まるで眠り姫だな……いいや、俺が目覚めさせるんだ!」
――カタカタカタカタ!
――ヒューン!
――ヒューン!
――カタカタカタカタ!
――ヒューン!
そしてもう一つの筐体にジェスが横になる。
「さぁ、始めようか。新たな時代を!俺の時代、科学と魔術の融合、新時代を!」
数分後、むくりと起き上がる影があった。
その姿は人と呼ぶにはあまりにもかけ離れた姿をしていた。
「ククク……。」
黒い髪は星空のようにきらめき。
「ハハハ……!」
白い肌は陶磁器を思わせるように透き通り。
「アハ……!」
その瞳は黒く染まり。
「アーッハッハッハッハッハぁ!」
その狂うような笑い声はどんな音楽よりも美しかった。
「あぁ、そうだ。念には念を入れないとな?」
丸い球体へ手をかざしたその瞬間。
透明な腕によってそのオブジェは粉々に砕かれたのだった。
「これでもうあの男が現れることもない……フフ、ハハ、ハーッハッハッハッハ!」
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます