ep6 レベルとステータス
「フフン!レベルは言ってしまえば“経験”だよ!敵を倒せば倒すほど上がっていくんだよ!」
マキナはさらに各ステータスを説明していく。
「まずはSTR!相手に与えるダメージを上げる大事なステータスだよ!」
「それは加算か?乗算か?」
「ダメージ計算式はとてもややこしいものになっておりますー!ってね!次にVIT、こっちは受けるダメージを減らすステータスだよ!」
マキナはササッと説明を終えたいらしい。
次々と説明セリフを垂れ流していく。
「DEXはクリティカルダメージ!弱点への攻撃に限り、高いダメージを出せるよ!」
「STRよりもDEXの方が強いのか?」
「当然!だけど弱点以外を攻撃するときはDEXの分は補正されないから何事もバランスが大事なのです!」
極論、弱点しか攻撃しない、槍の“五月雨”が常に発動するならDEXに振るのが強いわけだ。
「AGIはねぇ~……スキルのクールタイムに影響を与えるよ!手数こそ!って人にはいいね!」
「もしかして極振りしたらスキル撃ち放題か?」
「スキルによってはもちろんそうなるね!POWERは計画的に使いましょうね~!」
あぁ、POWERを使ってスキルを撃つのだから撃ち放題もメリットばかりじゃないのか。
「そして最後にLUK!幸運にもあなたの攻撃はクリーンヒットしました~、相手の攻撃は急所を外れました~ってことだよ!」
「はぁ?」
「互いに発生するダメージのブレを有利に傾けるステータスだって!まぁ、手数が多いなら実感も結構できるかも?」
そのあいまいな答えにショコレータは気付く。
「あぁ、マキナ……お前マジックガンナーや刀を勧めてたってことはSTRやDEXにしか興味がないな?」
「フフン!一発で片づければ防御系のステータスは関係ないのだ!」
「はぁ……じゃあもういいや、スキルの方を説明してくれ。」
「フフン!そう来ると思ってました!」
先ほどのサムライ人形が現れる。
そこにマキナが銃を向ける。
「“インパクト”は全武器共通で使える初期スキル!POWERを消費して次の武器による攻撃を強化するのだ!」
マキナがチャンバーを回転させていく。
数秒後チャンバーは赤熱化し煙を上げ始める。
「“インパクト”とチャージショットの合わせ技!すごいんだから!」
――ドォォォォン!
轟音と共に森の中のようだった部屋が震える。
その振動は近くに居たショコレータが立っていられなくなるほどのものだった。
「こういうのがアクティブスキル!Aスキルって表示されるよ!逆に発動を介さないスキルをパッシブスキル!Pスキルって表示されるよ!」
「んじゃあ最初はこの枠を全部埋めるのが目標ってことでいいか?」
「フフン!Aスキルは埋めるだけで“選択肢”が増えるからその通り!でもPスキルは埋めないメリットもあるんだよ!」
「はぁ?……いや、スキルはPOWERを使うんだったな。自動回復が遅くなるってことか?」
「その通り!フフン!流石は私の下僕ね!」
下僕と言う呼び方に苛ついてほっぺたをムニムニする。
意外に柔らかく、かなり伸びる。
「むぅ~、むぅ~……でもこれで説明は終わり!いつでも冒険に旅立てるよ!」
なんだかんだ長かったキャラメイク?チュートリアル?も終わって扉が出現する。
「それじゃあ、俺は行くよ。またな!」
「また会うことなんて……いやまだわからないかな?でもまた会えるといいな!それじゃあアバター作成担当、デウス・エクス・マキナの最後の仕事をさせてもらいます。」
「最後の?」
ここまで、話し方が安定していないように感じていたが、テンションの差だと思っていた。
しかし、今目の前にいるマキナはまるで菩薩のような優しさを感じる顔だった。
「いってらっしゃい!」
「……あぁ、行ってきます!……恥ずかしいなこれ。」
扉を開いて一歩進む。
この瞬間から、“ミスティカ・アナザーワールド”は始まる。
新たな神秘へ、男は踏みだしたのだった。
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