ep9 第二回イベントはMOBA?

第二回ストリーマー全員参加のPVP大会!

サービス開始3カ月を記念して大規模イベントの開催が決定しました。

今回はなんと!!

クラン戦です!

入賞商品は“金塊1kg”!

現実世界ではこれを求めて何度も争いが起きた曰くつきの資産アイテムです!

特殊決戦フィールド“ロスト・ムーン”にて行われる集団戦に参加しよう!

時間経過とともに消滅していくマップ上で最後に立っているのはどのクランか!

当日の様子は全世界同時配信され、全編フルでまとめたコンプリートボックスの販売も予定しています!


【ルール概要】

・サーバー内の各クランは白と黒の軍勢のどちらかに割り振られます。

・特殊決戦フィールド“ロスト・ムーン”にそれぞれの大規模拠点が設置されます。

・お互いに相手の大規模拠点の完全破壊を目指して進撃しましょう。

・各エリアには中規模拠点が設置されています。

・各エリアには小規模拠点が設置されています。

・各拠点からは一定時間ごとに魔物が敵拠点へ向けて進撃します。

・大規模拠点から現れる魔物は味方プレイヤーへ強化バフを発生させます。

・中規模拠点から現れる魔物は敵プレイヤーへ弱体化デバフを発生させます。

・小規模拠点から現れる魔物は真っすぐに敵大規模拠点を目指します。

・大規模拠点に設置された石像を先に破壊した軍の勝利です。


【入賞について】

勝利した陣営のプレイヤーから各種評価基準によって算出された“評価値”がクランに与えられます。

評価値の最も高いクランには賞品として“金塊1kg”が与えられます。

金塊を分ける場合は別途相談を受け付けております。


そのウィンドゥを閉じてマスターピースの3人は会話を続ける。


「まぁ、つまり軍略系シミュレーションゲームか?」


バンデットは軍略シミュレーションゲームというジャンルと判断した。


「えぇ?これって相手の拠点を攻めるんだから単純な大規模PVPじゃないですか?」


シスターは大規模PVPと判断した。


「いや……これはあれだろ?」


ショコレータはこのスタイルのPVPを知っていた。

VRゲームが流行る前、直前までFPS、MMOと共にオンラインゲームの一大ジャンルとなっていたスタイル。


「MOBA……マルチプレイヤー・オンライン・バトル・アリーナだな。」


RTS……リアル・タイム・ストラテジーの一種であるそれは二つの陣営に分かれて、仲間と共に敵拠点を破壊するのを競うゲーム。


「それってかなり骨董品みたいなゲームじゃありません?私なんて産まれる前から存在してるゲームだとか聞きましたけど?」


「VRゲーム初期には結構あったんだがなぁ……俺もやったことなんて有名タイトルを数時間ってとこだぜ?」


「まぁ、お前らは知らなくても仕方ない……俺だって“最強VRゲーマー”の称号を守る為じゃなきゃやってねぇよ。」


VRゲームが覇権を取った時点で過去のゲーム、特にFPSやMOBAはその姿を消していった。

いや、正しくは別のスタイルのゲームに統合されていったと言った方がいいだろう。

故にその単語が消えていき、ゲームとしてタイトルを上げれば“あぁ、あれね!”となるのだ。


「イベントまであと三日ですよね?練習にそういうゲームしてみます?」


「3on3とかMOBAでも少なそうだなぁおい。」


「おう、任せろ。俺が知ってる。」


イベントが始まるまで毎日3人でMOBAを楽しむのだった。

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