ep18 宙に舞う手足

空中に浮かぶ幼女が謳うように口ずさむ。


「A3-B5-C3-A1へ変更。斉射。」


同時に宙に浮かぶ手足から弾丸が放たれる。


――バスバスバスバス!


「威力はマイゴッドよりもかなり低いみたいですね……その分POWER消費が少ない?」


「A2-B3-C1-A2へ変更。順次発射。」


――バス・バス・バス!


「……少しずつ狙いが正確になってきている……みたいですね!“フォールン・ドーン”!」


――ダァン!


直撃コースの弾丸を地面に叩きつけて回避する。


「詰み。A1-B2-C1-A1で斉射。順次連続斉射。」


――バスバスバスバス!


――バスバスバスバス!


――バスバスバスバス!


――バスバスバスバス!


機械的に斉射されるそれらがシスターに降り注ぐ。


「……“フォールン・ドーン”!」


ジリジリと削られるPOWERを切り崩してでもシスターは視線の先に一つの対象を収めて放つ。


「……!ボクの足を!」


叩き落としたそれは足だった。

陶器のようなものでできたツルツルの足。

明らかに作りものであることがわかるそれにシスターは一撃を繰り出す。


「“インパクト”!」


半透明の鞭を出現させたシスターは容赦なくその足を砕く。


――バキャァ!


その陶器の足は破壊された。

元々威力の高い鞭による一撃、それもスキルで強化された一撃ならば十分破壊できるだけの威力があった。


「お前……お前よくも……。」


幼女の顔は醜く歪んでいる。

歯茎をむき出しにして強く噛み締めたかと思えば叫んだ。


「よくもボクのあしぉぉぉぉおおおおおおおお!」


――バスバスバス!


「ボクっ娘なんてもう流行らないんですよ!“フォールン・ドーン”!」


また足の一つを打ち落とす。


「お前また!ボクの足ばかり!」


「“インパクト”!パターン入りましたね!」


――バキャァ!


「いい音が鳴りますね!作り物だから心置きなく壊せますよ!」


「お前……お前ぇぇぇぇ!」


幼女は宙に浮かべた両腕と共にシスターを睨んでいる。


「マニュアル操作へ変更。もう、負けないんだから!」

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