ep25 リフレイン
白い糸によって巨大化したクラウディオ・メンデール。
その身体能力はあまりにも高く、アルアという“多少の消耗を気にせず物量で潰す”戦闘スタイルとはあまりにも相性が悪かった。
「まずい……よねこれ?」
“マリオネット”での空中移動だけならばあまりPOWERの消費は無い。自然回復分で十分消費量を補える。
だがそこに“フォトン・レーザー”と“ハンドクラフト”が加わればPOWERは一気に減少しかすり傷でも敗北しかねない。
「“白手喝采”!」
クラウディオがその両腕を白く輝かせ、一気に距離を詰める。
「……“マリオネット”!」
それを空中へ脱出して逃げる。
その真下を強烈な強風が通り抜ける。
「危ないなぁ……。」
クラウディオは白い糸によってその肉体を完全に覆い隠している。
つまり、“フォトン・レーザー”による遠距離攻撃では威力も足りずに無駄弾になってしまうだろう。
当然“ハンドクラフト”による一斉射撃であっても同じこと。
「はぁ……つまりそういう事でしょ?」
もうこの時点でアルアの選択肢は一つしかなかった。
「“フォトン・レーザー”。これしかないんでしょ?」
宙に浮かべた一対の腕から光の剣が出現する。
「時間稼ぎは悪手、そして倒しきれる力はボクにはこれしかない。」
奇しくも前回のイベントでシスターにやられた時と同じ動きだ。
両腕の光の剣。“マリオネット“による浮遊。
そして。
「ほう、潔いなぁ!今の我に近接で勝負とは!」
空中から重力と“マリオネット”による加速でクラウディオにカクカクとしたフェイントの動きを入れながら突撃する。
「この手しかないだけだよぉ!」
両腕が一瞬、本来の腕のような追従をやめ、大きく意表を突くように動く。
「人外の動きだろうとなぁ!弱い貴様に毛が生えた程度の動きではなぁ!」
光の剣を払いのけるように、クラウディオが腕を振るう。
――ガッ!
「やはり我の勝利に変わりはなかったなぁ!」
クラウディオの両腕がアルアの腕を破壊し、無防備なその体がクラウディオの胸へと落ちていく。
「いいや、ボクの勝ちだよ!“フォトン・レーザー”!」
――ボッ!ボッ!ボッ!ボッ!ボッ!ボッ!ボッ!ボッ!
光の剣がクラウディオに突き刺さる。
「な……なに!?」
白い鎧がほどけ、糸が宙を舞う。
その中から現れたクラウディオは全身に大きな穴をあけて、片膝をつく。
「これだけ人形腕をばらまいたんだ。お前の場所を向いている腕だってたくさんあった。」
イベントラストで行った、破壊された腕による攻撃。
今回は“ハンドクラフト”でかなりの数の腕を撒いていただけに予想もできなかっただろう。
「シスターはこれを躱したぞ?ボク、言っただろう?“君よりボクのほうが、強いもん!”ってね。」
「……見事。まさか“これ”を使わずに負けるとはな……。」
そう言ってクラウディオは懐から何かを取り出し、アルアへ投げる。
「持っていけ、我が持っていても仕方ないものだ。」
「もらえるなら、もらっていくよ。」
【SUB STORY QUEST】
【白銀纏う高潔なる意志】
【EXPERT LOOT】
【EVENT BOSS BATTLE】
【白き罪人】
【【白纏罪血】クラウディオ・メンデール】
【BATTLE ENDED】
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