ep3 ウェポンメイキング

マキナの言葉を反芻する。


「ウェポンメイキング……?」


武器を作るのか?

そんな風に考えたが、それにしては5つの台座が謎だ。

思案しているとマキナがさらに説明を口にする。


「フフン!まずは武器の系統を決めてね!双剣、刀、槍、鞭、銃だよ!」


マキナが双剣の付いた台座に触れるとその手に双剣が現れる。


「まずはツインセイバー!双剣は近距離攻撃を軸にした戦いができる武器の一つ!」


そう言って左の剣を前に、右の剣を後ろに構える。

すると、すぐ近くにサムライのような人形が現れる。


――ガァン!


人形の振るう一太刀をマキナは左の剣で受け止め、踏み込みながら回転斬りを決める。


「フフン!これが双剣の特殊技能“流し斬り”だよ!左手の剣にガード判定が発生して、それを使ったガードに成功すると回転斬りに派生して“心眼”バフを獲得するの!」


「心眼?」


「回転斬りのダメージが上がるバフで、5回まで重ね掛けできるんだよ!ただし、ダメージを受けたらまた0からやり直し!」


「つまり、全部カウンターを決めろってことか?」


「そうだよ!もちろん普通に二本の剣で戦うよりもバンバンカウンターしていった方が強いんだから臆せず攻めるべしって奴だよ!」


マキナはそれだけ言うと、刀の台座に触れる。


「刀……カタナブレイドは双剣と同じく近距離型の武器で、特殊技能で“居合”ができるよ!」


そう言ってマキナは刀を鞘に納め、居合の構えをとる。

すると1秒ほどしたあたりから白いオーラが立ち昇る。


「フフン!だんだんオーラが出て来るでしょ?これが“明鏡止水”バフ!3段階まで溜まると赤くなるんだけど、1段階目の白いオーラでも“居合斬り”は発動できるから見ててね!」


マキナの目の前に巨大な岩が現れる。

直径3メートルはありそうな大岩に向けてマキナが刀を抜き放つ。


――ズッ!


一瞬だった。

目にも止まらない速さで踏み込んだマキナは居合の構えから抜き放った一撃で大岩を両断してしまったのだった。


「フッフーン!やっぱりこれが一番気持ちいいね!3段階まで溜めた居合斬りはすっごく強いし、居合斬りの時点でガード判定が出るから敵の攻撃に合わせて刀を抜けば“疑似カウンター”みたいなことができるよ!」


「居合のオーラを溜めてる間はガードしてくれないんだよな?」


「もちろん!居合中に攻撃を受けたらリセットだから使いどころはちゃんと見極めないとね!」


マキナはさらに槍の台座に触れ、その手に槍を持つ。


「フフン!槍は先の二つと違って中距離攻撃武器!特殊技能の“仕切り直し”は後ろに下がるだけっていう地味な武器!あっ、バトルスピアっていうのが正しい名前ね!」


「え?それだけなのか?」


「専用バフの“五月雨”が強いんだよ!……どんな攻撃でもいいから3秒以内に攻撃を与え続けるとドンドン溜まっていくバフなんだけど、10重複ごとにクリティカル10%、もちろん100コンボできればクリティカル100%だよ!」


「クリティカルって強いのか?」


「本来心臓とか、頭を攻撃した時にしか発生しないクリティカルをどこでも発動できるようになるってことは、掠っただけですごいダメージが入ることもあるってことだよ!」


「あぁ……強そうだな。“仕切り直し”っていうのは?」


「後ろに下がることができる……あと一応だけどガード判定があるよ。使った時点で“五月雨”の時間が3秒まで回復するから、そこからもう一度攻撃できれば“五月雨”を維持しながら立ち位置を変えられるって訳で……うん地味だよね!」


「でも強そうだよな。」


「刀が一番強いの!次が鞭!次が銃!決まってるんだから!」


そう言ってマキナは鞭の台座に触れるのだった。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る