ep3 東京迎撃戦
日本王国・東京。
「はぁ、ボクがここを任されるってことは和雨さんが一番信頼してるのはボクってことでいいのかなぁ……。」
3隻の軍艦。
そのどれもがこの東京湾をめがけて進んでいる。
「まぁ、あれが上陸したら流石に面倒だもんね。“マリオネット”!」
アルアの義手義足は現実世界で作られたもの。
ゲーム内と違って自身のスキルで作ったものではない。
だが自身を操作するのはもう慣れている。
――ゴゥ!
音速に近い速度で空中を加速していくアルア。
それは数十秒で3隻の軍艦の頭上へと到達する。
「ここで沈めば東京湾まで流れ着かないでしょ……そもそも生きて帰す気も無いけど!“ハンドクラフト”!」
星空に輝く星のように人形腕が出現する。
“マリオネット”によって操作されたそれは3隻の軍艦を取り囲むように配置される。
「ごめんね。ボクも虐殺なんてしたくないんだけど……和雨さんが褒めてくれるから“フォトン・レーザー”!」
――バスバスバスバスバスバス!
闇夜を白い光が切り裂いていく。
その光が触れた場所から船体が裂け、静かに軍艦が沈んでいく。
「燃料が漏れたりしたらお魚食べられなくなっちゃうからね。悪いね。」
沈みゆく船体ではたくさんの人間が叫んでいる。
しかしその意味はない。
この海の上には逃げ場などないのだから。
船の上で火の玉や氷の塊を出しているのが見える。
「大自然の驚異ってすごいね。あの程度の魔術師じゃ何もできないもん。」
「そうだね。私みたいに空を飛べない人はみんな死んじゃうヨ。」
突然かけられた声にアルアは警戒心を最大限に引き上げその女を見る。
「ニーハオ。私は……。」
――バスバスバスバスバスバス!
「わざわざ声をかけてくるなんて馬鹿なのかな?」
――ボチャン!
体中に穴をあけた女が落ちていった。
「これで今度こそ終わりかな?」
軍艦が3隻も沈んだというのにこの海はきれいなものだ。
「……なんかあっけないな。海の上だからかな?それとも……。」
アルアの体感的に、この場に居た魔術師にRANK5クラスは居なかったように思える。
「いや、そもそもRANK3もないんじゃない……?」
――ゴゥ!
アルアはとにかく、この情報を財園和雨へと伝えなければと東京へと飛翔したのだった。
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