ep12 テーザー
【SUB STORY QUEST】
【下水の姫と小さな翼】
【インスタンスエリアを生成します】
【EVENT BOSS BATTLE】
【アイニイキルモノ】
【インセール・アンペリシュ】
【BATTLE START】
アナウンスと同時に、鉄扉のあった場所からあの少女が飛び出してくる。
「愛に生きるもの、アンペリシュ……イモータルじゃないのか?」
ペリシュは滅ぶという言葉。
アンペリシュと言うことは不滅を示すと思っていたが、ならばなぜイモータルではなくアンペリシュなのか。
「”不滅”じゃなくて”滅べなかった”ってことか?……インセールってのはわからん!とにかく今は様子見だ!」
とにかく時間を稼いで敵の攻撃を知らないといけない。
「っていうか“インスタンスエリア”ってことは加勢も来ないってわけか!」
即席のエリア、一般的なゲームで言えばパーティごとに隔離されるエリアなどをインスタンスほにゃららと呼ぶ。
つまりこの戦闘中に下水道から他のプレイヤーが来ることは無いというわけだ。
「……“テーザー”。」
少女の口が開き、言葉を紡いだ瞬間、彼女の指先が一秒にも満たない時間発光する。
「チッ!」
それを見た瞬間、と言うよりも指をこちらへ向けた瞬間には回避行動をとっておいてよかった。
「たぶんテーザーガンみたいなものだよな?ねらいは“スタン”か?」
鞭の特殊技能にはスタンが付与されていたはずだ。
テーザーガンのような効果を持つとすればスタンと言うデバフを与えてくる可能性が高い。
もし予想が正しければ相手はそれを起点に攻めてくるかもしれない。
「とにかく指先に注意ってわけだ!“インパクト”!」
――ドゥン!
銃声が響く。
狙い通り“テーザー”を撃ってきた右腕へ着弾している。
肩が吹き飛び、ボトリと右腕が落ちる。
「……。」
少女はそれを見つめて何かをつぶやく。
「……“ライフリターン”」
何かをつぶやいた瞬間には右腕が傷口からニョキニョキと生えていく。
新しくなった右腕は一瞬ぶるぶると動き、掌を握って感触を確かめているようなそぶりを見せる。
「……きっついな。回復もちかよ。」
いや、むしろこの相手も先ほどのボス同様あの虫が体内に居るはずだ。
その居場所さえわかれば引きずり出して戦闘に持ち込めるかもしれない。
「さっきのデカ物と違ってお前の虫は小さいよなぁ!?」
「……“テーザー”。」
今度は左腕で撃ってくる。
「どちらでもいけるってか!?」
「“テーザー”、“テーザー”、“テーザー”、“テーザー”。」
左右の腕を振り回しながら連射してくる。
その動きはやはり、生物的なものではない。
やはり寄生虫に操られているのだろう。
「“数打ちゃ当たる”は雑魚にしか効かねぇんだよぉ!」
銃口を少女に突き付ける。
するともう当たりたくないとばかりに体を動かして銃口の前に立たないように逃げる。
「……ほーぅ。」
ニヤリと口角が上がるのを抑えられなかった。
銃口を向けながら少女をおちょくるようにクイクイとその銃口を動かすとそれに合わせて少女は動く。
「カワイイところあるじゃんか!寄生虫のくせに!」
既に勝利への道筋は見えていた。
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