ep8 神を堕とす
【科学者】ジェス・カーペンタリア。
その男はショコレータ・ショコランティエの体を奪い、神の力を行使して賢者の石を生み出した。
彼の目的はただ一つ。
“自分が安全な世界”。
それはつまり、自分が世界の頂点に立つことだった。
「おいおい、こいつはちょっと派手なことになってんじゃねぇか!えぇ!?女王様よぉ!」
東京という都市の滅びと共に、東京に住む魔術師が現れた。
財園財閥のシェルターから一番に飛び出してきたのは派手なことを楽しむ男、バンデット・ケーニッヒだった。
「和雨さん!今そちらに!“ハンドクラフト”!」
人形の腕が空中へと続く道を作る。
アルアがその道のそばを浮遊し、その道を走るのはバンデットともう一人。
「戦火を払う力を見せてアゲマスネー!“草薙剣”!」
草薙剣と砂の大太刀を構える二人が財園のそばを通り抜け、ジェスへと迫る。
「無駄なことを……!ならば粉みじんに潰してやろう!」
透明な腕が二人の眼前にその手を開いて現れる。
「「邪魔“デスネー”!」」
――バァン!
破裂するような音ともに腕を破壊した二人はそのままジェスへ斬りかかる。
「無駄だと言った!」
二人の斬撃はジェスの体へ致命傷に近い傷を与えるも与えた傍からその傷は治っていく。
「知ってるよぉ!」
――ブゥン!
斬撃で傷ついた腕が再生しきる前に財園が転移してくる。
「墜ちなさい!」
――ダァン!
踵落としがジェスの顔面に突き刺さる。
「無駄だと言っているのに。」
笑顔を崩さずその衝撃を受けたジェスが落下していく。
「それはどうかな?」
ジェスの呟きに答えたのはもう一人の女だった。
――ダッダッダッダッ!
空中を足場にして、何度もジェスの修復される体を蹴り飛ばし、地上へと叩きつけようと加速していくその蹴りはペンツァーのものだった。
「ダーリンの付けた傷が治るまでにその体!削り飛ばしてあげる!」
ペンツァーのラッシュはジェスの体を少しずつ吹き飛ばしながら地上へと加速していく。
――ドォォォン!
轟音と共に地上を揺らしたその衝撃が治まるころ、その砂埃の中から再び突風が吹く。
――バン!
「スーパーヒーローって感じじゃん?このスーパーヒーローシェリア様に勝てると思ってんの?」
地上に落ちたジェスの体が一度地表に跳ね、浮き上がった所を飛び蹴りで吹き飛ばしたのはシェリアだった。
「全く、無駄なことばかりするのは人間のプライドと言うやつか?勝てない事が理解できているならおとなしく俺に支配されていればいいものを。」
手足が吹き飛び、体の大部分の肉が裂けてなお、ジェスはその体を起こした。
「全く、治すのだって面倒なのに。」
――ブスリ。
「財園グループ特性の毒薬だ。お前がどれだけ再生しようと地獄の苦しみを味わう羽目になるぞ?おとなしくそのまま死ね。」
ベヘリが突き刺した注射器のようなものはその中の液体を全てジェスへと注ぎ込む。
「無駄だと言った!」
ジェスは叫び、一瞬のうちに再生しきる。
五体満足となったジェスは再び空中へと飛び上がり、魔術師達を見下ろして言う。
「神に毒が通じるとでも?これが運命だ。神に逆らう者たちは神罰によって滅びるのだということを教えてやる。」
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