第十九話 店番 二
「こちらに並んでください! 」
「はい、こちら銅貨一枚になります」
「ねぇ僕、今から私とお茶しない? 」
「失礼ですが、仕事がありますので」
「ありがとうございます、全部で銅貨九枚になります」
「素敵なお兄さん! 今夜はみんなでパーリナイなの。一緒に、どう? 」
「あ、こら! そこ! お
結果から言うと、
彼が今ひどい目にあっているが。
開店当初はそこまで忙しくはなかったのだ。
ぼつぼつ人が来るものの、
そう、我らが美男子ケイロン君のおかげである。
店の中で仕事をしていた為、当初特に
しかしどうやら店に来たお客さんが「美男子がいる! 」と
「美男子?! 」と反応したお客さんが目を光らせる。
いつもはゴツイ熊獣人の
恐らく家や職場に
ならば美男子を見るのをいい
こうしてケイロンに引き
しかし
この時点で
今となっては
ケイロンを受付に置いたら永遠とおしゃべりをしそうなのだ。
遠い目をしながら
君の犠牲は忘れない。
「ありがとうございます、こちら合わせて銅貨四枚になります」
笑顔で対応する。
ケイロンと話せたのだろう、向こうも
店の奥へ行き、小の
まずい、な。もう少なくなっている。
これ午前中に
が、考えていても仕方ない。
すぐに
そしてはけた
これは事前にケイロンと決めていたことだ。
最も使うとは思っていなかったのだが。
手にした
「おうおうおうおう、何か調子に乗ってる店があるじゃねぇか! 」
「姉さん、見てくださいよ。この
「たんまりと金がありそうですぜ! 」
何やら
全員がその方向を見る。
長身の女一人に子分らしき少し背の低い男性が二人、そこにいた。
冒険者や傭兵、ではなさそうだ。
「な、なんだぁ?! この
女が
その言葉にお客さんが殺気
「……あんた達、私達とやろうってのかい? 」
「私達とケイロンちゃんのお
「この
こ、怖ぇ~……。
何だ、この殺気のようなもの。
ビンビンに、痛いほどに頭を刺激するんだけど!
ひ、冷や汗が止まらない!
「ね、ねぇさん! ヤバいです、ここはヤバいです! 」
「逃げましょう、姉さん! 」
「きょ、今日はこのくらいにしてやらぁ!!! 」
今さっきのは司祭様の
ちょっと感動した。
これからも
する気もないけど。
しかし……結局何だったんだ?
「お兄さん達! お弁当を持ってきたわよ!!! 」
「「「あら、フェナちゃん」」」
俺が考えていると、声をかけてくる小さな銀色もふもふこと
★
「ママがお兄さん達に弁当って! 感謝しなさいよね! 」
「お、おう、ありがとう」
「うん、ありがとう」
胸を張り「ふんすっ!!! 」というようなドヤ顔で手に持つバスケットについて説明するフェナ。
なんだろう……。
ここまで
ケイロンと
フェナが来たことに加え、お昼ご飯というのもあったのだろう。
フェナパワー、恐るべし!
そして
むろんケイロンがその言葉に
「じゃぁ私はこれで! 」
「え、帰るの? 」
「一緒に食べていったら? 」
そう言うと、少し迷ったのか立ち上がろうとした足を止めたが、立ち上がった。
「マ、ママに……早く帰ってきなさいって言われてて……」
「な、なるほど」
「時間に厳しいみたいだからね」
「じゃぁ、早めに帰ってくるのよ! 」
「「了解しました、アイドル様」」
そして俺達はにこやかに彼女を見送った。
「さて、お昼ご飯はなんだろ? 」
「
「だな」
早速、白い
「「おおー!!! 」」
二人で中身を確認すると、そこにはサンドイッチがあった。
しかしこの前食べたサンドイッチとはまた
「なんだろ? スクランブルエッグと……ベーコン、キャベツかな? 」
「そうみたいだな」
「では……」
「「クリアーテ様の
こうして俺達は手を
さぁ午後からも頑張ろう!!!
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