第二百一話 走る激震 一 王都カルボ
アンデリック達の戦いを
滅国竜の出現。
それに全員が絶望する。
しかし被害状況など情報を持ち帰らなければならないのが彼らの任務。
運悪く、その日バジルにいた彼らは初めて運命というものを呪ったかもしれない。
だがそれは良い意味で裏切られることになった。
彼らが事の詳細をギリギリまで見極め情報を持ち帰ろうとしたその時にアンデリック達が滅国竜を打ち取ったからだ。
その情報を持ち帰るべくある者は
★
「何で……何で」
「それは貴方が道を踏み外したからです」
滅国竜へ
彼女の体はすでに
声がする方を見るとそこには一人の紫色の髪をした魔女風の女性がいた。
背は高く
「貴方、何者?! 近寄らないで! 」
「そうはいきませんことよ? 何せ私はずっと貴方に目を付けていたのですから」
どんどんとエカテーの方へ近づいていく女性。
その
「まさか、邪神?! 」
「あんな
「死神?! それにずっと目を付けていたなんてどういうこと!」
その正体に驚き、絶望する。
と、同時に自分が完全に死んだことを認識して色の無い顔を白くした。
「私
「な、なら、貴方が人を殺したもののようじゃない! 」
「……。流石邪神の
そう言いうと何もない
それを肩に
「はぁ。完全に綺麗にするまで地獄で何万年、何百万年かかることやら」
「やめ――」
そう言い終わる前に
仕事が終わったと言わんばかりに道具をまた黒い空間に戻すとアンデリック達の方を見た。
「あの子。初めから私の事、視えてたわね。どういうことかしら? 」
そう言い金色の瞳を細め、
するとにやりと笑い一人納得した。
「ああ、なるほど。長らく――ったから忘れていたわ。ふふ」
そしてそこから彼女はいなくなる。
次の『死せる魂』を求めて。
★
ドンドンドン!!!
「
「どうした! 騒がしい! 」
騒がしいと言いながらも入室を許可するのはカルボ王国国王『カルボ三世』である。
荒いノックの仕方にドーマ宰相と共に顔をしかめながらも早朝の来訪者を
入って来た
そのただならぬ様子に彼を見下ろしながら異常事態であること、認識した。
「一先ず息を整えよ」
「ぜぇ……ぜぇ……。私の事よりも、ぜぇ……報告したい
「その様子では報告もままならぬまい」
これ以上の
そして休憩した後、魔人と滅国竜『カオス・ドラゴン』が出現したことを伝えた。
「……。嘘じゃろ? 」
「本当でございます。
「カオス・ドラゴン……。
「
そう言い
カオス・ドラゴンの
それは
その昔一体のドラゴンが当時
軍事力に長け、英雄とは言わずともそれに
しかしそれはカオス・ドラゴンの出現で一夜にして滅びる。
カオス・ドラゴンは様々なモンスターを召喚しばら
その外見は
カオス・ドラゴンについてはまだまだ他の
故に二人は絶望した。
だが諜報の騎士はきびきびとした口調で次の報告をする。
「ご安心を! 」
「何を安心するというか! 」
「カオス・ドラゴンは、討伐されましたっ! 」
ギリギリまでとどまり命の危険から解放された影響か騎士は涙と鼻水を流しながら報告した。
それを聞き、王と宰相は耳を疑う。
「討伐された? どういうことだ? あれは討伐というレベルのモンスターではない」
「あれはどこかに行くのを待つか、国を滅ぼすかのどちらかしかしないぞ? それを討伐した?! 誰が」
王が否定し、
「セグ卿でございます。アンデリック・セグ卿でございます! この目で、確認いたしました! 」
鼻水をずるずるっとすすりながら報告すると二人は一瞬固まり、動き出す。
カルボ三世は椅子の背もたれに体を
★
報告を終えた騎士に休むように指示を出した後二人は顔を見合わせ話し合いとなった。
「……。今年は
「それは大和皇国の
痛い頭を抑えながらもドーマ
「
「もし彼が
「
「そのまま自由に冒険者をしてくれるのならば、それもいいですね」
「我々としては
「カオス・ドラゴンを倒すほどの貴族、となるとそうはいきませんでしょう」
はぁ、と二人共
「龍人
「……。ならば新しく大臣でも作るか? 」
「例えば? 」
「冒険大臣、とか? 自由大臣とか? 」
「
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