第百三十五話 王都アクアディア子爵家にようこそ! 七 ミッション メンバーに精霊を紹介せよ 三
「
「ひどっ! そこまで変わってないよ! 」
「いえ、ケイロン。今回ばかりは同意できませんね。どうしたのですか? そのドレス」
正直な感想を言うと俺の方を向き抗議するもセレスも同意見のようだ。
多数決で負けてしまったケイロンは
「母上が社交界デビューだからって
「へぇ。でも
「似合ってかな? 僕にしては少し
「いつもとイメージが違って
「そっか。へへへ」
セレスの部屋をまるで自分の勝手知ったる部屋のように移動して
決して
「そう言えばどうしてここにデリクがいるのかな? 」
ドレスのチェックが終わりこちらを見ると何やら
「そうです! 精霊です!!! 」
「精霊? 」
「ええ。何でも紹介したいとか」
そうだった。
どうせだ。同時に紹介しよう。
そう
『貴方のハートにドキュンと一発! 火の精霊ことひーちゃんよ! 』
『いつかいつかと
『穴があったら入りたい。そんな貴方に
『誰が呼んだかこの私。風の
『『『おいおい! 』』』
「だからキャラを
ブレブレなキャラに毎回
多分あれだ。その
四精霊にツッコミを入れると何か怪しいものを見るような目でこちらを見ているセレスとケイロン。
「ねぇ奥さん。あそこに
「そうだね。
「違うわい! 誰が
彼女達の方を向き
すでに部屋の
あらぬ誤解だ。やはり精霊達を受け入れるのはまずかったか?
「はぁぁぁ。さっき元素四精霊が自己紹介したところだ。よろしくってらしい」
「え? そうなの? てっきりデリクの頭が残念なことになったのかなって」
「ええ。これは
その
加護を受けたメリットもあったが自身に降りかかるデメリットも多かったようだ。
そう考えていると二人がどこかを見るように顔を動かし口を開いた。
「私はこの家の娘でセレスティナと言います。よろしくお願いしますね」
「僕はケイロン。よろしく」
『『『よろしく!!! ま、知ってたけどね! 』』』
どうやら彼女達は昔からこの家でケイロンとセレスを盗み見していたようだ。
★
あまりにも高価そうな机と椅子に
俺のそんな
「で、どうして紹介ということになったのですか? 」
「ああ。何でもついてきたいということらしい」
「「え?!! 」」
そういうと驚きと恐怖が混じった表情でこちらを見た。
「分かっている。エルベルの事だろ? 」
「え、ええ。それを聞くと彼女がどのような反応をするか目に見えておりますので」
「……少なくとも外に出したくない」
「俺も
「「ああ……」」
最悪の状態を伝える。
いや、もしかしたらこれ以上の最悪の状態もあり
だが悪いには違いない。主に
「そこで、だ。
「それなら
「問題はその後だね」
一人で行くのは怖いと言っていた精霊達。
しかし俺についてくるならば最低限迷惑が来ないようにしてくれと頼み込んだ。
それにより
本来なら
「出来る限りエルベルに感知できないように努力してもらうことにした」
「……出来るの? 」
「ああ。例えばトッキーだ。彼女は
「そうですか。ならば
ああ、とゆっくりと
そしてセレスが何かに気付いたように俺に瞳を向ける。
「そういえば……不思議だったのですがこの家に精霊がいたのですね」
「どうやらこの
「誰にだろう? 」
「彼女達が加護を与えた人にらしい。どうやらこの
「そうなのですか?! では、その彼女達がここから出ていくのはあまりよろしくないのでは? 」
「俺もそう思ったんだが話によるとあまり関係ないらしい。
セレスの疑問に俺が
が、正直俺も
彼女達の言葉を伝えるとセレスは少し上を向き考えている。
そして顔を俺達の方へ向け口を開いた。
「もしかしたらこの地が
「「
聞きなれない単語に俺とケイロンが同時に口を開いた。
「ええ。確か大和皇国の
「確かに
なるほど。だからここにたくさんの精霊が視えるのか。
「そう言えばさ」
「どうしたケイロン? 」
「ティナは準備をしなくてもいいの? 」
「……今からします」
その一言を受け俺は
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