第百三十四話 王都アクアディア子爵家にようこそ! 七 ミッション メンバーに精霊を紹介せよ 二
「精霊ワン。
『こちら精霊ワン。現在エルフの部屋に接近中』
「了解。精霊ワンはこのまま作戦を
『了解』
俺達は現在セレスの部屋に向かっていた。
通りすがりの執事に聞くとどうやら二階にあるらしい。
が、そこで問題が起こった。
エルベルの部屋である。
セレスの部屋へ行くにはどのルートを通ってもエルベルの部屋を通らなければならない。
通常ならば
だが今回は
本来ならこのような
「まさか敵に回すとここまで
『ねぇそんなにヤバいの? 』
『この前のあれを見たでしょ? ヤバいに決まってるわよ』
「……思えばエルベルと出会って二か月目に入っているが彼女の精霊に対する、もはや
『アンデリックも苦労したのね』
『ママが
「誰がママだ! コホン。慣れたと思った。慣れれたと思った……。そしてこれかよっ! 」
『あの子
『大丈夫よ。流石に
「……お前らなぁ」
俺はこの危機的状況の
現在、通りすがりの
その勇気ある行動に
使ってみたがかなり便利だ。
『司令部。こちら精霊ワン。現在七十メル。
「精霊ワン。ご苦労。そこから
『了解。しれ……え? 』
「どうした! 精霊ワン! 」
『な、何この
「精霊ワン! 精霊ワン!
『なんでこの範囲で?! な……い、……いやぁぁぁぁぁぁぁ!!! 』
「精霊ワー―――ン!!! 」
若い風の精霊こと精霊ワンは、創造神クレア―テ様の
『七十メルね』
『それならいける? 』
「お前らには心がないのか! なに冷静に分析してるんだ!!! 」
『う~ん。すり抜けながらなんとか? 』
『最初からすり抜ければいいんじゃない? 外からいくとか』
『『『あっ……』』』
ふーちゃんが最もなことを言った。
それに気付き精霊達は外へ。
精霊ワン。君の
★
「あら、アンデリックではないですか。貴方から来るなんて珍しいですね」
「あ、ああ」
「
「色々あったんだ。色々……」
分からないと言った表情でこちらを金色の瞳をこちらに向けるセレス。
だが
事情を知らないけれども
中に入り彼女の部屋を見ると様々な物が置いてある。
「凄い本の量だな」
「これはまだ王都の
机に着き本を開けて手に持つ状態でそう言う。
すごい、の一言に
「いつ読むんだ? この量の本」
「これは学園、正式には
ニコリと笑みを浮かべてそう言うが
速読にもほどがある。
「で、アンデリックは何かようがあったのでは? 」
「そうそう。紹介したい奴がいるんだ」
そう言うと少し
「相手は精霊だ」
「まぁ、精霊ですか! そう言えばこの家に精霊がいるのでしたね!!! 」
俺が正体を言うとすぐさま本を閉じ立ち上がり興味を示す。
エルベルとは方向性が違うがやはり似ている。
急激に上げたテンションのまま聞いて来た。
「で、どこにいるのですか、精霊さんは! 」
「ま、まぁ落ち着け」
「
「落ち着けって!
「いてっ! 」
グイグイと近づいてきて顔を近づけるセレスにチョップをお
エルベルなら一発で倒れ込むのだが頭を抑えるだけのセレスを見ると痛みはあれどあまり効果はないようだ。
流石\
「ううう、
「少しは落ち着いたか? 」
「ええ。おかげさまで」
そう言うと
そして声を出そうとするとノックの音がした。
「ん? 誰でしょう? 」
「お嬢様。ケイロン・ドラグ嬢がお見えになっております」
「分かりました。今どちらに? 」
「すでにここにおりますが
「入っていただきなさい」
「かしこまりました」
セレスが入室を許可すると
ゆっくりと歩く短めな黒髪をもち漆黒の瞳をもつ女性。身長は俺よりも一つ低いくらいだろうか。だが
しかし
もし彼女がドレスを
「誰だ? 」
「
「……ケイロンか?! 」
その
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