第六十二話 珍妙な依頼と珍しい種族
朝昼と二つ程Fランクの依頼を受け俺達はヘレンさんのいる精肉店へ来ていた。
今はすでに
どうしてこの時間帯に精肉店にいるのかと言うと依頼書に時間が指定されていたからだ。
よってこの時間まで
今日はまずパーティー名とそのメンバーの登録を行い、残っているFランクの依頼を受けた。
パーティー登録はすぐに終わり、依頼へと。
エルベルの加入により一日にこなせる依頼量も増えたので軽くこなせるものを
受け取る金額も三等分なのでちょうどいい。
精肉店の裏口から来たことを伝え、解体所の方で待っているように指示が飛ぶ。
そして解体所で待っているとその
「おう今日も来てくれたか坊主達」
「「「よろしくお願いします! ミートフォークさん」」」
「こっちもな! ハハハ! 」
「「「—— 」」」
俺は笑いそうなのをこらえながら少し横を見る。
ケイロンは顔を上げないように
分かる、わかるぞその気持ち。今顔を上げたらどうなってしまうか想像に
そして反対方向を見るとエルベルは意外にもミートフォークさんの顔を
笑わずに、だ。
いつもならすぐにでも爆笑しそうなエルベルが
彼女の
「ミートフォークさん。依頼に会った【血抜きの補助】と言うのはどういった物でしょうか? 」
少し顔をずらした状態で俺はミートフォークさんに聞く。
「ああ、実際に
開けた
このまま俺達は待たないといけないのか。
どんどんとミートフォークさんの頭に太陽が
笑いこけそうだ。
だめだ!
そんなことを思っているとカタカタカタとリアカーを誰かが引く音が開けた
そしてこの
「ミートフォーク殿、持ってきましたぞ」
「おう。今行く」
そう言い
「誰が来たんだろうね」
「依頼主だろうけど……。明日の
「明日はどんな依頼をするんだ! 」
「いや、
少ししゅんとなったエルベルを放っておき、続ける。
「少し
「でもリアカーを引く音は大きかったぞ? 」
「物凄い大きな音だったな! 」
「ああ。だからかなりの量なのが分かる」
「意外と力持ちなおじいちゃん? 」
「まるでうちのじいちゃんだな」
「デリクのじいちゃんは力持ちなのか?! 」
「力持ち、というか
そんな
「こっちに運んでくれ」
「了解しましたぞ! おや、見知らぬお方がいらっしゃいますな。新しい従業員さんですかな? 」
「いや、今日は冒険者ギルドから来てくれた冒険者だ。いつも
「ほほほ、そうですか、そうですか。ではご
目の前の長身の
「私はデイ・ウォーカーと
「ウォーカー男爵?! 」
ケイロンが
貴族?!
てか、ケイロン! 失礼だぞ!!!
俺はドバっと冷や汗を流し、
「おや、どこかでお会いに……あ」
「「え??? 」」
「坊主、男爵と知り合いなのか? 」
「え、えーっと」
ミートフォークさんの
ウォーカーさんも何やら少し
二人は知り合いなのか?
「あ、そうだ。昔、ウォーカー男爵の商会で買い物をしたことがあったんだよ。その時に
「……そ、そ、そ、そうですとも。確か
「あんりゃぁ? 確か男爵の店は『
「「……」」
ミートフォークさんが更に言うと二人共ドキリとする。
何だ、その
「い、いや。
「そうそう! 雑貨屋のようなとこ! 」
「なぁ仕事やらないのか? 」
いつの
エルベルの言う通りだ、早くしないと!
ド
「そうだな。始めよう」
「では、よろしくお願いします」
ミートフォークさんが開始の
リアカーには大量で多種多様な動物が乗せられている。
動いていないから
どういうことだ?
「この動物達は私が昼からこの時間帯の
「いや、まだだ。男爵の口から言った方が早いと思っていってねぇ」
ミートフォークさんの方を向いていたが「そうですか」と一言口にして再度こちらを見た。
「私先ほどミートフォーク店主の話にあった通り『
「私こう見えて吸血鬼族でございまして、主に
そう言い
「ま、
ミートフォークさんの一言で俺達は仕事に取り
★
ふぅ、まさかですぞ?!
なんであの
そう思いながらデイ・ウォーカーは血抜き作業をしているアンデリック達を見る。
ケイロンは作業に参加していない。こういった作業は苦手なのだ。
「しかし……」
「ウォーカー男爵」
「こ、これはっ! 」
ケイロンが
そしてとても、とても小さな声でウォーカーはケイロンに
「これは一体……? 」
「あ~実はね」
そう言いケイロンは
「成程、さぞご
「多分
少し考え込むウォーカー男爵にケイロンが更に小さな声で「今日の事は秘密で頼むよ」と言いアンデリック達の元へ戻っていった。
「秘密、と言われましても恐らくすぐにばれると思いますぞ? 」
ウォーカー男爵はそう独り
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