第百九十九話 種族の輪 《サークル》 二 vs 滅国竜『エカテー』 一
「なるほど。やはり肉を
俺は風の精霊を
今の所エリシャが
思った以上に肉となったモンスターが凝縮されているのか何回
このまますめばいいんだが、と思っていると魔人に変化が現れた。
「ん? 何じゃ?! 」
「Gaaa!!! 」
叫び声と共に巨大な
そしてそこから俺達の前で見せたモンスターを引き
「エリシャ! 」
変化が、進行していく。
その中でエリシャ自身も危険を
魔人を核にして様々なモンスターがくっついていく中、エリシャは俺の隣まで移動し声をかけてくる。
「あれは、何じゃ? 」
「わからない。魔人の変異? 」
「どんどん大きくなっとるが」
「今までだと圧縮という感じだったのにな」
もはや人型ですらなくなった巨大な黒い
大きな
次に
「おいおい、これはまさか」
そして
「……ドラゴン」
「あれこそが
「しかしあの腹は何だ?! 」
「趣味が悪いの。見た感じ吸収したモンスターの顔の様じゃが……」
顔を引き
「まさか、ブレス?! 」
「まずい。
俺達がその場を離れた瞬間、口から紫色の
避けたが……。
「コホコホ! なんだこれ、コホッ! 」
「ゲホ、ゲホッ! まさか
次いで体中にあるモンスターの
その瞬間俺は
「光の精霊よ! 」
瞬間
不思議と体に光が
温かい光だ。
時の小精霊でもない、風の小精霊でもない感じたことのない小精霊の温かみだ。
「デリク! 」
声の方向を見るとケイロンが小精霊の光を
この小精霊はどうやらケイロンが呼び
だけどいつの間に?!
「ケイロンも神の
横を見るとエリシャが興味深く彼女を見ていた。
天駆で
剣を天にかざして
「光の精霊よ! 」
周囲一帯に光の小精霊が
それにより周りで異常状態を起こしていたメンバー達が解放されたようだ。
少し苦しそうな表情が
どこか倒れる前よりも顔の血色がいいようにも感じられた。
「ケイロン、いつの間に?! 」
「それは『それはさっきね。君を想うちか……』あわわわわ!!! 」
「……今さっき精霊が出てこなかったか? 」
「出てきたの」
「Guuuu」
ケイロンの力により異常状態を解除されたのが
しかし何も起こらない。
それに驚いたのか少し意外そうに目を見開いている。
『言わない。言わないから! 全く、せっかく出てきたのに
「「精霊?! 」」
『うん。僕は光の精霊。名前はまだない。だって生後数分だもの! 』
ケイロンのお腹辺りから出てきた小さな女の子はそう言った。
う、生まれたての精霊だと?!
俺とエリシャは一瞬固まった。
しかしここは
「さっきのは君が? 」
『正確にはケイロンが、だけど、大体そうだよ』
「じゃぁ、何ができるか確認しても? 」
『もちろん! まず異常状態の解除だ。僕達の光に
「神官もお
『そんなことは無いよ。傷の回復は出来ないからね。後は強化精霊魔法と『
なるほど。ならばかけて欲しい。
あれは相当ヤバいことは瞬時に分かるからな。
例えあれの毒や幻影を防げたとしても恐らく身体的な能力が異常だ。
「なら俺達にかけてくれ! 」
『了解。ほらそこの『闇』も一緒に! 』
『ぼ、僕もですか』
光の精霊にエリシャの影から引き出されておどおどした感じでミルも出てくる。
ドラゴンの方を見るとヒッ! と軽く悲鳴を上げていた。
何だろ、俺達が悪者のような感じを受けるのは気のせいだろうか。
『まずは、ケイロン。彼とそっちの女の子に精霊魔法を』
「うん。光の精霊よ! 」
ケイロンが光の精霊の
まだ力の使い方が不十分なのだろう。
が、その影響は
俺とエリシャの体に光の小精霊が
「ほほう、これは」
「凄いな。
『サービスだよ』
「え? 」
光の精霊がそう言うと俺の精霊剣が光の小精霊に
『もし効果が切れた時にここから引き出せば大丈夫でしょ! 』
金色に光る精霊剣をみながら「先に
体中に
「ならば次は
『ど、どうするの? 』
「ふむ。初めてじゃが、あの剣に相手を弱体化させる魔法をかけてみようか」
「そんなことできるのか? 」
『で、できます。ぼ、僕の
「闇の精霊魔法は弱体化と異常状態付与、そして行動阻害が
『せ、正確に言うと光の精霊が行った通りに闇の小精霊を剣に流して切りつける時に、ア、アンデリックさんに発動してもらう形になるのですが』
何にしてもありがたい。
どんどんと相手の様子が
早めにやってもらおう。
「じゃぁ、エリシャにミル。頼むよ」
「うむ」
『は、はい。えい! 』
エリシャが「闇の精霊よ」と
「よし、行くぞ! 」
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