エカテー・ロックライド 四
「あぁもう! 足りない!!!」
拳を
ロール状に
それもそうだろう。
最近になって目につくほどにサブマスであるミッシェルが
それに加え
「いよいよもって私を追い出そうということね、あの
頭に
全く邪魔をしてくれる! そうでなくても
「最悪のシナリオは……商会のことがバレることよね」
はぁ、と息をつく。
実の所、
冒険者ギルドの解体所自体人気のない職業である。それゆえか士気も低く、給料も安い。そこでエカテーが中心となって
もちろん商会を通った分だけお金がかかる。その分
そして商会に入った分は
「バレてしまったら、それこそ奴隷落ち、ね」
これはギルド内だけでなく行政にも影響する。
ギルドと行政二つを相手にして勝てる
何
……どうすれば。
確か他の町の冒険者ギルドも同じような状況のはず。
ならば他の町へ逃げようかしら。
まず人事にお金を回して……。
ここでの地位をむざむざ捨てるってわけ?
「そんなことっ!!! 」
ドンッ!!!
……痛い。
手が
よくよく考えたら回すほどのお金がないわ。それに前ならともかく今はダメ。
人事のあのババアが立ちふさがる。
タイミングも最悪。
本当にピンポイントで
まさかあのババア! 裏切りやがった!
やりかねない。
私と一緒に
だけどそれをやったらギルドが機能
そのくらいなら他の人事に働きかけ私を
いや、プライドの高い彼女ならむしろ私を
いえ、違う誰かが裏切っている可能性も捨てきれない!
「あぁあ! 分からない! 一体だれが裏切っているというの」
髪の毛を両手でくしゃくしゃとする。
ひどい感じ……。
気分を変え、考えを整理するため
「どうしてこうなってるのかしら……」
鏡の前で独り
不正をするからである。
それ以上でもそれ以下でもない。しかしそれが
あらゆるところを
「……より多く情報が必要ね。それにはもっとお金が必要に」
ふと
エカテーの後ろに、長身のとんがり
「きゃっ! 」
「
エカテーが声を上げると同時にとんがり
「ねぇねぇルータ、彼女は……どう? 」
「そうだね、僕の
「(
エカテーは
まるで魔法で
「彼女は……食べちゃダメなの? 」
「だめだよ、
「お腹すいた」
「それなら、彼女とお話が終わった後に
「はぁい」
食べる?! 私を!
その言葉に
しかし自分が対象から外れていることに少し
「そこの、
帽子——ルータがそう言うと魔法が解除されたようだ。
体が動き
「あ、貴方、い、い、い、一体?! 」
「僕達かい? 僕達は
「ルータ、
「違うよ、
「でもルータ、楽しそう」
「
「そんなことないもん」
一体……この状況は何?!
話す
暗闇で見えにくいが
それらがくねくね動いているのが分かる。
ガタン。
少し、
まずいっ!
黒い女を恐る恐る見上げる。
まだ
まだ大丈夫。逃げれる。
逃げ道は……。
右側にある
行ける! そう思った
「おっと、話が少しずれたね。僕達の正体はまだ明かせないけど、君の仲間の
「仲間?! ふん! 貴方達のような仲間も、知り合いもいません。お引き取りを」
「そう言わないでくれよ、レディ。
「そうそう」
「それに、
そう言うと長身の女がローブから一つの丸い、
「貴方はお金、欲しい、でしょ? 」
「一人で
「それに、地位、も」
「そうだ、そうだ。欲しいに決まってる。あれだけ
「た、確かに欲しいわよ。でもそれが何! そんなの
思わず
しまったと思い手で口を
しかし相手は笑い声をあげた。
「そうだとも、そうだとも。
「
へしょげた声で
しかし二人は目線を上げ
「人より高いところに座りたい、それの何が悪い? 」
「いっぱい、お金、欲しい、何が悪いの? 」
「見下す奴が悪い、指示する奴が悪い、『今』を創ってる奴が悪い! 全て悪い!!! 受け入れたまえ、我々を」
「いっぱい、いっぱい、幸せ、いっぱい」
「さすれば
魔女の顔と
「「異教への信仰を、捨てよ」」
「貴方達! まさか、じゃ――」
そう言い終わる前に魔女が持っていた
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