第二十三話 プロローグ
これは……夢か。
しかし
それにしてもどこだここ? 何か
何が起こっているのか分からない。
「おい! ゴブリン共! こっちだ! 」
「かかってこいやぁ!!! 」
「ほーら、ゴブリン共! こっちよ! 」
騎士の
戦士風の男冒険者は
彼らの目の前には大量のゴブリンの
成程、ゴブリン討伐の依頼の
それにしてもリアルな夢だ。臭いまでわかるとは。
「くそっ! こんなの聞いてねぇぞ! 」
「全くだわ、多いにも
「後でギルドを
と、言いつつもほぼ敵を全滅させていた。
あとは
しかしそのゴブリンもあと少しなのだろう。数が彼らの目の前にあるものよりも
女冒険者は緑の生物に向かって
チリチリと焼き
「だ、誰か!!! 早く来てくれ! 大変なんだ! 」
「神官! 神官はいねぇか!!! 」
道の向こう側から声がする。
悲痛な声だ。
しかし俺は冷静だ。
何せこれは夢なんだから。そう
「どうしたのかしら? 」
「まて、あっちは
「おい、まさか……」
三人が
そして焼けて黒くなった道を走っていく。
俺もそれについて行こうとしたら、後ろから誰か来るのが分かった。
「何があったんですか! そっちにはっ! 」
俺が振り返るとそこには夢の中の俺がいた。
おい、俺よ。
もっとクールに行こうぜ? それに一体そこに何があるってんだ?
そう思いながらもやれやれ、と首を横に振りもう一人の自分について行った。
そしてそこにあったのは――
「「あ……あぁ……あぁぁぁぁぁぁぁぁ!!! 」」
★
ガバッ!!!
「はぁはぁはぁ……。今のはなんだ? 」
太陽が
もう朝を
しかし気分は
「何だ、あの
夢を見ることはある。
しかしそれは昔の夢だったり、それこそ夢とわかるようなハチャメチャな夢だったりだ。
こんなにも
一人ベットの上で考えていると、
そして――
「お兄ちゃん! 大丈夫!!! 」
「デリク、大丈夫かい!!! 」
ドンッ!
と、ケイロンとフェナが
生きている。
物凄い
「デリク、君大丈夫かい?! 」
「お兄さん大丈夫? 物凄い汗」
「あ、あぁ。大丈夫だ」
フェナにしては珍しく心配してくれている。
金色の瞳に
「ちょっと
「ならよかった~」
「はぁ、驚かさないでよね」
ん? 俺が寝ている
恐る恐る顔を二人に向け、聞いてみる。
「あれだけ大声でうめき声上げて、何いってんのよ! 」
「僕の部屋まで届いてたんだから……心配したよ」
「うめき声、上げてたんだ」
声を上げていたことに
「全く! 何か出たんじゃないかって心配したんだから! 」
「え? 何か出るの? 」
「で、でないわ、わよ! 例えよ、例え! 」
少し目をキョロキョロさせながら『例え』ということを
まさか、出るのか?
もしかして
「
ベットから起き上がり、足を床につけ立ち上がろうとしたら……
バタン。
俺は床にファーストキスを
★
「魔力欠乏、ですね。一日
フェルーナさんがそう言った。
倒れた後、俺は再びベットに寝かされていた。
フェナがフェルーナさんを呼びに行き、彼女の診断を受けたというわけだ。
どうやらフェルーナさんは魔法使いらいし。
え? あの腕力で?
と、思ったのは秘密だ。
「朝に何か大量に、それも瞬間的に魔力を使ったのですか? 」
少し
「いえ、そのようなことはしていないんですが……」
「しかし……こうも
何か心当たりがないか聞かれるが
変な夢を見たくらいだ。
しかし夢は夢。それこそ魔力を消費するような物でもない。
「まぁ今日は
「しかし……」
「デリク、僕は構わないよ。君が休んでいる間に依頼を見てくるから、さ。あと町を見て回ってみるよ。何か新しい事を発見できるかもしれないから」
情報収集をしてくるというケイロン。
しかし今回はそれが逆に心配だ。
夢は夢。
分かり切っているのだが、どうしてもあれを見た後じゃ
「……ケイロン、了解だ。だが一つ約束をしてくれ」
「約束? 何だい? 」
ケイロンは俺の
「ゴブリン討伐依頼だけは受けないでくれ」
すると、意外だったのか少し
「ハハハ、もちろんだよ。まだ入りたてなのに受けるわけないじゃないか」
「そ、そうか」
「それに今日
「それもそうだな」
受付嬢の事もあるからイレギュラーが発生する可能性もある。
しかしそれも
「
じゃぁ僕は行くね、と言いケイロンは部屋を出ていった。
「体調が
「じゃぁね、お兄さん! 「ゴッ!!! 」痛っ!!! 」
ひりひりするのか頭を押さえ、
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