第九十五話 エンカウント 一
あの後
ギギギと言う音を出しながら
夜も遅いようだ。部屋に光が入っていない――はずだった。
「……
『仕方ないじゃない。『時の小精霊』なんてそこら中にいるんだから』
「今まで……先読みの時はこんなことなかったんだが? 」
『そりゃちっぽけな力を使った所で
「そんなもんか」
『そうよ。それにそのうち体から抜けていくわ。抜けた後は呼ばなければ出てこないようにいってるから大丈夫よ』
「それはありがたい」
今日は疲れた。依頼を受けたわけでもないのにかなり疲れた。
★
ベットの上で上半身を上に伸ばし、体をほぐす。
体がほぐれたら
どうやら
この宿に泊まるようになりスミナもガルムさんに
「おらおら、
「言ってくれるな!
「
いつもの盾と同じ大きさ重さの盾を
外から見るとガルムさんの一撃がどれだけ重いのかわかる。
ガンガン!! と木の剣からするはずのない音がしているのは気のせいだと思いたい。
ガルムさんが攻撃をしている
と思ったらその方向に目もくれず強引に体を
「今日もよく
なんでケイロンの動きが分かったんだ?
今さっきの俺も
その非現実的な
そこには町の一宿に
あそこだけ
「あらおはようございます。アンデリック」
「おはよう。セレス。そしてアクアディア家の
「「「おはようございます」」」
セレスは昨日と同じように
何があったんだろう?
いや、何も言わまい。多分貴族家
セレスが予定を変更したことも問題であろうが。
それはともかく席に着きやってきたフェルーナさんに朝食を頼み食べる。
そのような
「それにしてもこの宿の食事はとても
「そうだな。村にいた時とは大違いだが……貴族から見ても
「はい。可能なら
なんてない話をしながら食事を進める。
ケイロンが食べた時も
ならフェルーナさんの腕前は確かなのだろう。
そして俺はこの料理をこの
まぁ
言わないでおこう。
「あら、どこに行くのですか? 」
「ちょっと武器屋に
「なら私も……」
「「「お嬢様はお
「ええ……」
俺が武器屋に行くと言ったらセレスティナが
それを周りが
俺が
セレスがこちらに来ない事からどうやらメイドさん達の
「おはよう」
「おはよう、デリク」
「おう、おはようアン! 」
「遅かったな。これから一緒にやるか?! 」
ガルムさんがこちらを見て
「すみません。今日は武器の
「おう、そうか。なら仕方ねぇ」
「僕も行くよ」
「ワタシは……」
「あんちゃん達はまだ
「「……ええ」」
のそのそと立ち上がり二人はガルムさんの前に立ち
★
「かなり使い込んでんな。スミナのやつおめえさんの武器を
「あれから色々あってバタバタしてたんで頼んでないですね」
武器防具『ドルゴ』へ行くとそこには
ドルゴさん的には俺の
話し的にはスミナに武器の手入れを
「しかし……わかってねぇな」
「どうしたのです? 」
「スミナを連れてこんか! この
ふとした瞬間
うぉっと言いながらそれを
後ろでガシャン! と音がしていたが
「ちょっ、いきなり何するんですか?! 」
「分かっちゃねぇな。
「あるかもですがスミナはスミナで帰りにくいそうですよ」
「何でだ? 」
「……最後
そう言うとドルゴさんは少し顔を下に向け
「……それなら仕方ねぇ」
そう言い
ドルゴさんに
いつもは少なくともケイロンがいたから一人で歩くことはなかったが今は一人だ。
帰りも行きも
少しいつもとは違う道を行こうと回り道をして『銀狼』へ帰る。
違う道を通ったせいか知らない広場に出た。
そこにはいくつも横長い椅子が置いてあり、
これはミスしたな。やはりいつもと違う道を行くのは間違ってたか?
そう
「……なんて不幸なんだ。そう思わないかい? 少年」
今俺が不幸にあいそうです。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます