とある小国の最後
「
「くそっ! 一体どこから! 」
ここはカルボ王国から
城内の作戦会議室は緊張に
この国は国土面積も狭くカルボ王国の王都を二、三個くらいの面積しかない。
人口も平均的より少なくこれと言った産業がない国である。
「数は、数はどのくらいだ! 」
「各村を襲った数と同程度と思われます! 」
「「思われます」とは何だ! 詳細をいえ! 」
「……
「「「なっ!!! 」」」
恐らくこの
彼が命からがら逃げてきた村人から聞いた話によると、村を
最初は
そして重い腰を上げ調査隊を
その軍ですら帰らぬ者になってしまった。なまじ何かしらの
いつまで待っても帰ってこない軍に
「ふぅ、どうすべきか」
「何を
「
「黙れ! 今はそのようなことを言っている場合ではない!!! 」
「「「へ、陛下?! 」」」
軍服を着た男性が木製の椅子に背を
そしてそれを
彼は
しかし魔族の特徴である角は見えない。その代わりに
しかしどこか顔色が青い。
日中である事を差し引いても彼の体調の悪さが
「どこまで進行している? 」
「……城門のすぐ
それを聞くと瞳を軽く閉じて少し考える。
考えがまとまったのか瞳を開け、言葉を
「全軍に
「こ、国民を殺すのですか!? 」
「それはあまりですぞ! 陛下! 」
「黙れ! まだわからぬか! 」
平和ボケした
説明しなければ動かない事を良く知っているからだ。
「モンスターの突然の出現と消失。考えられるのは二つ」
「
「まだその程度と考えていたのか、この
「ひぃ! 」
「まぁいい。今はそれどころではない。まず真っ先に考えられるのはどこかしらの国がこの地を落としに来ているということだ」
「何と……」
「だがこの可能性は低い」
「何故です? 」
「我が国を落として利益になる国があるか? 」
「「「……」」」
悲しいが、何もない。
何もないが故に今まで放置されていたのだが。
「そして有力なのは邪神教団の
「邪神教団……」
「聞くところによる暴食系の団員か、幹部クラスなら可能だろう……」
「この国に邪神教団が?! 」
「他から来たやもしれんが。しかし今は
「何と非道な」
「非道だからこそ『邪神教団』なのだ。わしも出る。全軍に伝えよ。邪神教団と――全面戦争だ、と」
そう言い残し、吸血鬼族の王は会議室を出ていってしまった。
★
この国は特殊である。
加えてこの王は老齢で
長命種全般に言えることだが彼らは人族とは違い寿命が近づくと休眠を定期的にとる。
これは自然なことであり、特殊ではない。
よって寿命比からみて
が、この国は長らく後継者がいなかった。作れなかった。
王が休眠を取っている
王が――短いながらも――玉座に座っている
「……後継者が決まった
そう独り
騎士や使用人達が忙しく移動するも
「
一室の前に立つと軽くノックをして
すると少女のような――しかし老齢な言葉使いの――声が聞こえてきて入室が許可された。
「使用人が忙しいようじゃが、どうした? 」
「
「それは恐ろしいのぉ。
「それには
「相手は、強いのかの? 」
「強い、のではなく
「なるほど。このままいくと
「
そう言うと近くに
「これは? 」
「ここより
「……」
「そこまでの
「よいのか?
「構わない。それにまだわしの国。自分の国を護れずして何が国王か」
「いいのかの? 」
「ああ。それにいい機会なのかもしれない。お
そう言い不敵に笑ってみせた。
「勝てば英雄王。負ければ……欲に
「しかし? 」
「タダでやられる気はない。相手に
そう言い王のマントを
★
「なによ、あの化け物! 簡単に落とせると思ったのに!!! 」
「あれは予想外、予想外」
「強かった」
しかし彼女は右腕を失っていた。
最後、吸血鬼族の王が――
そう言われても仕方ない。
しかし途中から
「モンスター達も半分以上失ったじゃないの! これじゃあの女に復讐がぁ! 」
片腕で頭を
彼女が
「でも君が
「以外、以外」
「わるいの!! 」
「違う、違うよ、誤解だよ。もちろんいい意味だよ」
「そうそう」
「
「おかげで、移動が
カルボ王国からどのようにしてこの
答えは
彼女は竜種までも召喚できる
国を出る頃はまだ召喚できなかったが
そこから各地を転々としながら召喚用の
「……待ってなさい。必ずあの女を地獄に落としてやる!!! 」
「地獄と言うか、邪神様の
「邪神様、邪神様」
―――――
後書き
ここまでお読みいただきありがとうございます。
第四章はこれにて閉幕となります。
またもしよろしければ、是非とも「フォロー」や目次下部にある「★評価」、よろしくお願いします。ワタクシのテンションが爆上がりしますw
*追記
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