第五章 カルボ王国の激震 下 種族の輪 《サークル》
第百五十五話 王都のドタバタな日常 一
何だ? 温かい温もりが……。
そうだ、俺は昨日『精霊の
それから雑務に終われながら一段落したら眠くなって。
そうそう、ベットに横になったら寝てしまったんだ。
精霊の
確かに温かいが……。
こんなに温かかったか?
どこか
「うわぁっ!!! 」
「……うにゅぅ、おはようなのですよぉ~。お兄ちゃん」
「お、おに……じゃなくて何でリンが俺のベットに?! 」
「それは夫婦だからですよぉ」
「夫婦と兄は両立しないからね?! それにまだ結婚してない! 」
「成人してるので時間の問題なのですよぉお」
ガバっと毛布を取ると俺にリンがくっついていた。
リンは目を
色々とおかしいから!
あれ、ちょっと待て。俺部屋に
「リンのポーチは不思議なポーチなのです。なんでも入ってるんです。まぁ入れた物だけですけど」
「不法侵入用の道具が入ってるって
「こらー!!! また部屋から出ているって、デぇリぃク? 何してるのさ! 」
「違う! これは誤解だ! 」
「何が誤解なのか、お聞きしても? 」
ケイロンが入ってきて追及すると、その後ろから
ケイロンはいつもと同じ服だがセレスは町に出る用の赤い方の服装だ。
興味がない事にはとことん
本来ならばバジルに戻っていたのだが子爵家当主と言うのが足かせになってまだ動けない。
「言い訳は
「
「いや誤解……。あ、いえ。何でもないです。ハイ」
無言の圧力を受け俺は誤解を解くことを
彼女達が
「ほら、リン。朝ごはんだってよ」
「了解なのですよぉ」
そう言いながらスタスタと少し
リンは最初俺の事をアンデリック様と呼んでいたが『様』付けは
ケイロン達を『お姉ちゃん』と呼ぶのだから当然の流れなのかもしれないが、同い年にそう呼ばれるとは思っていなかったので複雑な気分だ。
何故兄姉と呼ぶのか聞くところによるとリンには
獣王国にいないということもあってか、周りの目線を気にしなくてよくなった為か、こうして甘えることは多い。
ここ数日でよくわかった。
「疲れがとれてそうそうに疲れがたまるとは」
一人
気持ちの良い風が入ってくると同時に庭で遊んでいる精霊達を見かけた。
彼女達は先日この
外で遊びたいとの事だったのでこれから外で活動する時はついてくるかもしれないが
気を付けて。貴方達を見ている存在はすぐ
★
朝の準備を終えた俺達は一階の食堂へ。
コックがまだいないため外で買ってきた物である。
パンにベーコン、野菜と軽いものが長机の上に置かれている。
「
「おはようさん。飯か」
「「おはようございます」」
「おはようなのですよ」
「おはよう」
朝から何故か顔が
そして服を着替え直したセレスとケイロンが見えてその後ろからはシャキっとしたリンが。
全員
「「「クリアーテ様の
「森の
朝食後、それぞれ
「これからなんだが」
「まずは使用人ですね」
「そうだね。僕の家から何人か募集してみるよ」
「そうですね、私も家の人に聞いてみます」
「助かる。ありがとう」
お礼を言うと少し照れているのか二人は
しかし本当にありがたい。
俺達は一応冒険者の方を優先することになっている。
よってこの
「コックはどうする? 」
「はいはーい!!! オレ考えたぞ! 」
「
「何で聞く前に
「どうせ「精霊様にやってもらおう」とか言い出しそうだからだ」
「違う! そうじゃない。銀狼のフェルーナさん達を呼んで作ってもらったらどうだ? 」
「だ、駄乳エルフがまともな意見を言うだと?! 」
「そこ、驚くことか?! ちびっこドワーフ! 」
「いや、まさかまともな意見が出るとは思ってなかったからな……。ま、疑われたくないのなら日々の
「んだとぉー! 」
スミナじゃないがエルベルにしては珍しい。
フェルーナさん、と言うよりかは銀狼にこっちに移ってもらうのはありだ。
だがこっちに来てもらえるか……。
どうも
一応
「国営の銀行に行ってカードを受け取らないと」
「……思い出したくない! 受け取りたくない! 」
「そうは言うけどさ。給金の支払いや
「あんな……持っているだけで命を
「そんな時は、獣王国側の銀行を……」
「意味は同じだろ、それ」
「バレちゃいましたか」
報酬としてもらったお金は国営銀行とやらへ入っているらしい。
少々複雑なことにカルボ王国から受け取った金額はカルボ王国の国営銀行に獣王国から受け取った金銭は獣王国国営銀行のカルボ支店に入っている。
よって今
カルボ王国には友好国、同盟国の国営銀行がそれぞれ置かれているらしく引き出しが可能だ。
商業ギルドではなくカルボ王国にある国営銀行支店に入金しているのかと言うとどうやら爵位を重複所持している貴族が一定数いることに
年金はそれぞれ各国から
「大体の話は
「後は実際にやって時間待ち? 」
「あ、リンから一つあるのです」
「なんだ? 」
「リンも冒険者をやるのです! 」
そう言いリンは
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