第九十三話 王都への準備期間 二 ケイロンと買い物 二
「
「「「め、目がぁぁぁぁ!!! 」」」
「デ、デリク?! なんでここに? 」
「
「こ、このクソガキ! 」
「「身体強化!!! 」」
こうして一方的な
★
相手をぼこぼこにした後、俺達は大通りに出て憲兵を呼んでもらい引き渡した。
「ありがとうございます。彼らに
「こちらも身が危なかったですし」
そう言い引き渡す。
どうやらケイロンが始めてじゃないらしい。
今回他にも
宿への道の
俺とケイロンは二人そろって歩いていた。
俺達の
どうしたらいい?! この
「どうして……場所が分かったの? 」
少し暗い表情で下から
う~ん、これは話しておくべきか。
「えっとな。ケイロンがいなくなって探してた時にトッキーが来たんだよ」
「トッキーが? トッキーに僕の場所を聞いたの? 」
「いや違う。
「……それで心配してくれたんだ。ありがとう」
それを聞きこっちを見ているケイロンの顔が少し明るくなった。
いえない! ケイロン一人で
「で、トッキーが探す方法に『時の大精霊の加護』の使い方を教えてくれたんだ」
「『時の大精霊の加護』の使い方? 」
「そう。
「でも僕はその場所にいなかったよ」
「思い浮かべるだけで『もしも』が視えるらしい。と言うか視えてケイロンが……
「そっか。でもすごいね、その力。流石大精霊の加護って感じ」
「確かにすごいんだが……正直あんまり使いたくない」
「何で?! そんなにすごい力なのに! 」
「よく考えてみてくれ。体を――頭の中を小精霊が入り込み
「うぇ……確かにそれは味わいたくないね」
そんな彼女に渡す物があったのを思い出す。
ドタバタしていて渡せなかったものだ。
「ほいっと」
「わっ、わっ! なにこれ? 」
俺が
「銀の指輪! え、でもこれってティナの分じゃ?! 」
「何でそこにセレスが出てくるんだ? 」
チェーンを通した指輪を見て驚きセレスの物では? と聞いてくる。
確か午前は俺とセレスの二人きりで買い物に行っていたはずだ。
さては。
「ついてきていたな」
「うぐっ! だって気になるじゃん」
やっぱりか。
が、どうしてセレスの物と思ったんだ?
「それは……デリクはティナにプレゼントあげてたからてっきり」
「てっきり? 」
「な、何でもない!!! 大体プレゼントをあげる
「あ~それは悪い。だがあれもレストさんに頼まれた『ミッション』の一つだったんだ」
「『ミッション』??? 」
それを聞き、ケイロンはきょとんとした。
「ああ。レストさんに『買い物に連れて行くこと』と『最後にぬいぐるみを買うこと』の二つを頼まれたんだ? 」
「レストさんが? でもなんで……」
「どうもケイロンが
「で買ったと? 」
「そう」
「ふ~ん」
事の流れを伝えると
が、どこかジト目でこっちを見ている。
「じゃぁこれは? 」
そう言い俺が渡したチェーンを向ける。
「これは
「何その
「気持ち悪いとは何だ、気持ち悪いとは。だがまぁ感謝してるってことだ」
「……そっ。じゃぁこれ付けて」
「はぃ? 」
ほら、と
ちょ、ここ大通り! それにつけるならもっといいやつの方が良いんじゃないか?
「……」
仕方なく渡されたチェーンを
それを確認したのか
「じゃ、じゃぁ帰ろうか」
「そうだね。帰ろう。それにしてもセレスだって? なんか
「セレスかティナかどちらかで呼べと言われたんだ。
「はは。確かに。いいよ。今回は許してあげる」
上機嫌なケイロンを引き連れ俺達は
★
時間は少し進みドラグ伯爵家
「
「「「イエス。マム! 」」」
「いいですか!
「「「はい!!! メイド長!!! 」」」
白と黒のベーシックなメイド服を着た女性達が
「先代アース公爵様のご
「「「ようこそ。ドラグ伯爵家へ」」」
メイド達が並び、
開いた
その二人は執事長の
そして開けられた
「ほほほ、今回は本当に助かりましたぞ」
「我が娘が
「流石は
「いやはや、娘のお
アンデリックがケイロンを助けたことで間接的に助けられたのはアース公爵家
どうも
と、言っても
そのためこの二家の騎士団の強さが良くわかる。
きっかけは何であれ
「孫が助かって本当に何よりじゃ。出来れば直接会って話したいのじゃが……」
「
「早めにお礼を言いたいところじゃが……。そうじゃの
そう言い先代アース公爵とその孫娘は
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