第九十二話 王都への準備期間 二 ケイロンと買い物 一
午後、宿の二階にて。
午前にレストさんからの『ミッション』をこなした俺は部屋でトッキーと話していたのだが、
「デリク! これから買い物に行くよ!!! 」
俺、午前中に行ってきたんだが。
『面白そうね。私も
★
ともあれ
「どこか行く予定でもあるか? 」
「……ない」
小さな体を更に小さくさせしゅんとしている。
何がしたいんだ? 買い物に行きたいのは分かるが……。
何を買ったらいいのかが分からないのだろうか?
「
「行く! 」
「いつもみたいに多いね」
「ああ。いつも通りだな」
あれ~? 人数が戻ってる?
それとも有名人があの
「どうしたの? デリク。首を
「いや……。まぁ進もう」
少し違和感を感じながらも俺達は
それぞれいつもお
そして
恐らく
そこへ
すると店員の人族の女性が聞いてきた。
「何かお探しかい? 」
「何か良い物がないか、と」
「ははは、初のお客さんだ。
何というか言いにくい事をずばっと言うな……。
しかし悪い
そして並んでいるアクセサリーをいくつか見る。
この銀色に
「じゃぁこれで」
「あいよ」
お金を
スミナのように
シンプルな——
あ、どうしよう。指のサイズが分からない。
「あー、
「あるよ。ほら」
「じゃぁそれも」
「ありがとうよ! 」
指輪をネックレスに
出来たものを受け取り買い物を
「ケイロ……あれ? いない」
★
「
ケイロンはイライラとしながら
その怒りっぷりに周りの人は
今度は指輪だよ、指輪!!!
何! デリクとティナは結婚でもするの!
もう知らない!
一人
周りの
「……発見」
「え? 」
どうやらケイロンは気付かないうちに
声に反応し周りを見ると薄暗く道が
そしてその前には男が数人。
「全く王子様、さまさまだな」
「ああ。こうして貴族の子供を
「……
男達の言葉を受け彼らが何をしているのか
恐らく
「誕生祭の時貴族はこの道を通るからな。俺達の
「俺達を見て正体に気付くってことは俺達の名前が売れてきたのか」
「
「確かに」
「「「ハハハ」」」
「手配書に
「ああ”。こいつ
「これからどういう目に合うかも知らずに! 」
「君達程度だ。
「
「「「おう!!! 」」」
大男達が同時に
この
しまった!
その事実がケイロンの行動を止める。
その
「大人しくやられろや! 」
「高値で売ってやる! 」
「君の味はどんな味? 」
腰にやっていた目を上に向けるとすでに目の前に男達が
まずい!
「ハハハ、いい声で泣いてくれよ」
恐怖で目を
助けて! デリク!!!
「
★
「ケイロンどこに行ったんだ」
『どうしたのよ。こんなところで』
「うぉ! 何だトッキーか」
『「うぉ」とは何よ、「うぉ」とは』
少し
ここで話すわけにもいかず
「トッキー、どうしてここにいるんだ? 」
『今日はあのエルフが外に出てなかったから
「いやぁどうやらケイロンとはぐれてしまったみたいで」
『それ大丈夫なの? 』
「うーん。
『……なんかきな臭い
トッキーが
「噂? 」
『そう。
「……確かにケイロンは貴族の子供だが、あいつがやられると思うか? 逆に
『それは武器を持っていたらでしょう? 今武器持ってないんじゃない? 』
……
「まずいじゃないぁぁぁぁぁぁ!!! どうしよう! ねぇトッキーどうしよう!!! 」
『お、落ち着きなさいよ。冷静じゃないと何も
「そうだけど! そうだけど! どうしたらいいだよ! 」
『あるじゃない。方法なんて』
「いくら探してもいないんだよ! もう
『落ち着きなさいって!!! 』
ゴン!!!
と、
『あのね。時の大精霊の加護が先読みなんてちっぽけな力だと思ってるの? 』
「どういうことだ? 」
頭にこぶを作った俺はさすりながらそう聞く。
しかし先読みくらいしか思い当たらないんだが。
『よく考えなさいよ。あんた一回だけ使ったじゃない』
「……何を」
『あ~もう! 予知夢よ、予知夢。あれも十分加護の力よ』
「今から寝ろと? 」
『違うわよ! どうしてそうなるのよ! 今思い浮かべるのよ! 彼女を! 』
「思い浮かべる? 」
『そう。頭に小精霊を
「『時』を『視る』……」
『そう。そもそも
「だが俺は時の小精霊なんて視たことないぞ。そもそもこの
『いるわよ。ほら』
そう言うと俺の回り、いやこの
「うわぁ
『
「た、確かに。ありがとう」
『時間がないわ。やるわよ、
「うぉぉぉ?! 」
トッキーの
頭の中をかき混ぜらえるような感じを受けながらも
『全くこれじゃ先が思いやられるわ』
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