ジョルジとリリアンヌ
「ジョルジ。今日から彼女が君の部下になる」
「よろしくお願いしますね。ジョルジ様」
彼——ジョルジの目の前には一人の女性がいた。
茶色い
横に
「彼女は――リリア、と呼んでくれ」
「リリアでございます」
上司である男性の隣でその金髪を
ジョルジは「どうして」と思いながらも部下になってしまっては仕方ないと
★
最初は
困っている女性に声をかけ手助けする。なんてことない普通の
相手がリリアンヌでなければ『その日
ジョルジとリリアンヌが再開し数日後。
「あら、またお会いしましたね。ええ~っと……」
「ジョルジです。レディ」
「そうジョルジさん。あの時はありがとうございました」
「いえいえ、
ここは王都カルボの大通り。
バジルとはまた
王都の人もどこか浮ついた気分のようだ。
「あの後目的の方とお会いできましたか? 」
「ええ。おかげさまで」
「それは良かった。しかし今はどうしてここに? 」
「会えたのですが約束を
「なるほど。ならば私は力になれそうにないですね」
可能ならば今ここから離れたいという強い思いからジョルジは少し強引に話の流れを変えようとした。
が、それをリリアンヌは許さない。
「そのようなことはないですよ、ふふ。あ、そう言えば私、自己紹介をしていませんでしたね。私はリリアンヌと
誰がどう見ても恋人同士のように見える
ハンサムなジョルジに美人タイプのリリアンヌ。
物語にしたらさぞ
「このような事を聞くのは
なまじ彼女が探していた人物が自分と知っているジョルジとしては早めに切り上げどこかに逃げたかった。この質問で嫌われて逃げれるのならそれでよし。
彼の頭の中で
早くそこから逃げるべきだ、と。
しかし彼の
「簡単なお約束ですよ。そう簡単。しかし、その時
「で、その約束とは? 」
「『お
言い切る前に彼は全力で反対方向へ逃げた。
か。あらあら
彼女の
しかしこれはジョルジとリリアンヌの追いかけっこの始まりにすぎなかった。
★
「はぁはぁはぁ……どういうことだ。
ここはジョルジが
中は薄暗く何も置いていない。
しかし誰もこの
認識阻害系統の魔法が使われて他の人には普通の夫婦がさぞ
「今日は不運だった、そう思うしかないな。今後動きには気を付けた方がいいい」
そう独り
チュンチュンチュン、と朝の
ジョルジは――場所が違うが――いつも
が、人の気配がする。
甘くいい匂いだ。そう。まるでそこに女性がいるかのような——
「あら、お
瞳を開くとそこにはリリアンヌの瞳があった。
「うわぁぁぁぁぁぁぁぁ!!! 」
そして
町の大通りを歩いていると――
「あら、ジョルジ様」
後ろから気配無く声をかけてくる。
疲れている。そう「疲れているから
「ジョルジ様、お
「一体何なんだ! 」
「おう。珍しいな。ジョルジお前が
酒場でジョルジは
エールをぐびぐびと飲みながらガタン! と
彼の目の前には大きな体の男性がおり「珍しい物をみた」というような目をジョルジに向けている。
「お前が荒れるなんて……。何があったんだ? 」
「それが……」
「グラスが空いてますね、お
恐る恐る声がする方を見ると――
そこにはリリアンヌがいた。
「うわぁぁぁぁぁぁぁぁ! 」
ジョルジは一人
「ふふふ、お待ちになって……」
そう言い男性の目の前から消えるようにジョルジが向かった先へ彼女は移動した。
「おい……。大丈夫か、あいつ」
★
そして
「ここまでついてきてしまったのは仕方ない。
「もちろんです」
最早
仮面で隠れて見えないがジョルジの顔は
「今月何があるか、知ってるか? 」
「はい。カルボ王国第一王子エレク・カルボ殿下の十五の
「そうだ」
「我々はカルボ王国に対する敵対国の情報収集ですか? 」
「いや、違う。あくまで我々は冒険者ギルドの者だ。よって他国から来る冒険者達の情報収集だ」
今回の
もちろんのこと
「王都に入る他の領地の冒険者、他国の冒険者には色々な者がいる。人によっては不正や違法なことを行う者がいるだろう」
それを聞き少しリリアは顔を暗くした。
彼女も身に
「よって王都に集まる冒険者を
「ありません」
こうしてジョルジとリリアンヌのペアが
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