第百二十九話 王都のアクアディア子爵家別荘へようこそ! 三
気が付くと俺はベットの上だった。
パチクリと何回か
『精霊の宿木』の物ではない
いつもと違ういい
かけられている
「本当にどこだ、ここ? 」
白い
しかもそれらが
見たことのない
確か俺は……。
と、考えているとノックの音が。それに答えると「失礼します」という声と共に
「アンデリック様。おはようございます」
「お、おはようございます」
そうだ。この人はルータリアさんだ。声で思い出した。
猫獣人のルータリアさんは耳をピクピクと動かしながら
俺も顔を向け
「まだ体調が完全とは言い切れないかもしれません。今のままでかまいませんよ」
起きようとした俺にそう言い少しはにかんだ。
どこか冷たい雰囲気のルータリアさんだったが何やら今日は
「あの……。俺は一体どうしたのでしょうか? 」
「私に敬語は
思い出した! そうだ。あの時精霊のいたずらを受けていると頭から何か
「思い出していただけたようで。そしてそのまま起きられなかったためその場にいたレストを含め我々により
「申し訳……我々? 」
「ええ。我々でございます。さぞ
その反応にカーっと顔が赤くなる。
え? まさか見られたの?! レストさんやガイさんならまだしも女性に見られた?!
そしてその
「ま、
「
「ええ、
「そっか……」
その言葉を聞き
流石に全裸を見られたわけではないらしい。
そう言えば他の
上体を起こしたままの姿で彼女の方を向く。
「他の
「……お
そっか。
エルベルはすでにこの家の人に
あれ? そう言えば
「
どういうことだ?
んんん???
首を
「どうやら
穴? ああー――!!!
え、そんなもの作っていたのか! うらやま……いやけしからん!
「
「いえ、こちらこそよろしく」
そう言いベットから降りて礼を言う。
開けた
「では私はこれで」
言葉を受け取ったのか扉の方へ行きノブに手をかける。
そんな彼女を見ながら俺は肌触りの良い服を
ん? ちょっと待て。俺は何で着替えて?
「……いいものをお持ちで……フッ」
赤面する中いい顔で彼女はこの部屋を出ていった。
★
「西の森に
カルボ王国カルボ三世は執務室で報告書を読んでいた。
今は――
が、そうは言ってられない。
物が物だったからだ。
昨日の報告から一夜明け目に
膨大な量の中から一枚の報告書を見つけたのはその日の昼に近かった。
「ドーマ、これをどう考える? 」
「陛下。執務室では『
「いいではないか、ドーマ。俺達の
「どこで誰が
と言い
しかしそこには何もおらず何も感じない。
「はぁぁ、分かった、分かった。じゃぁドーマ
「そうですね。にわかに信じがたい、の一言でしょうか」
「同意見だ。王都直轄領の騎士だ。それなりに実力は
「ええ。王国騎士団や魔法師団、もしくは兵団ならまだしも王都騎士団。これだけの実力者を
そう言い王が持つ紙に
書かれていたのは参加人数、討伐した人数、賊の特徴、手紙と共に運ばれたカルボ・ファイブの存在、そしてその実力であった。
主犯格であろう者の特徴——剣が通じない、
王都騎士団は基本的に『王都』を守るための騎士団である。憲兵団とは別組織だが騎士爵を持った治安維持隊といった所だ。彼らの
が、その実力は『王国』騎士団等には遠く
ならば王国騎士団を王都に
「最初の作戦は発見した後に大量投入だったはずだが? 」
「彼らもそれは知っているでしょう」
「少なくともこの人数では……難しいな」
「誰か他の者が行ったことも考えられるのでは? 」
「それを
ふむ、と
そして
「騎士団所属であると同時に我が国の貴族だ。そのようなことをする者の集まりとは考えたくないが……。有り
「軍事
二人で考えていると少し
何か
「失礼します! 獣王国『ビスト』カイゼル五世陛下ロナ・カイゼル
それを聞き嫌な汗を流しながらも面会に応じると伝え
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