第百話 王都への道のり
カタコトと
王都への道のりはそこまで遠くなく
思ったよりも近くで
カタコトと更に
いい
カタコト……
今俺が入っている馬車に
そちらへ俺も行こうとしたのだがピーター様を始めケイロン一家に
ケルマ様の体が大きいせいかとても
馬車用のソファーのような椅子もふかふかで
汚したり傷をつけたりするとどのくらいかかるのか考えるだけでも恐ろしい。
出来れば俺も後ろか前に
「それで娘とはどこまで進んでいるのかな? 」
冷や汗を流しながらも顔を上げどう答えようか考える。
「貴方達。こちらにお呼びした本当の目的を忘れたのですか?
「「「……すまん (わりぃ)」」」
「はぁ……全くこの調子だと話を始めるまでに時間がかかりそうですね。ピーターに代わって私がお話します」
ジュリア様が男三人に
だがなんの話だろうか。
本来
「コホン。王都に着くと早めにアース公爵家にケイロンと二人で
「こ、公爵様の家?! 」
え、何。俺
公爵様に
「ふふ、そんなに
そう言うと一枚の手紙を出した。
何やら
それをこちらに差し出して言う。
「これは
ニコリと笑いながらそう言い俺に渡した。
これを震える手で受け取り自分の
だが震えが止まらない……。
なんだろ……貴族最終兵器のような物を持たされた
王都へ行ってからの用事が一つ増えたが
★
「——」
「あああ“、不安定になる! 」
「何この曲?! あああ“ 」
「これは……精神攻撃ですか?! 」
「——」
宿から出て一日目、早くもエルベルがやらかした。
と言うのもいきなり歌い出したのだ。
それが普通の歌なら問題なかったのだが全員の精神を不安定にさせるような
頭を押さえるケイロンに下を向くスミナ。上を向いてどうにか逃れようとするセレスティナに……。
本当なら楽しい
「おい、駄乳エルフ! やめろ! すぐにこの曲をやめろ! 」
「ル――」
「やめて! やめてってば!!! 」
「ルールル――」
「お、お願いしますから声を静めてください」
「——」
全員を精神不安定にさせながらも彼女が歌い終わるまでこの曲は続いたのだった。
そして真っ先にスミナが声を上げた。
「おい駄乳エルフ。さっきの歌は何だ?! 精神攻撃をする歌なんて聞いたことないぞ?! 」
「ワタクシも初めて聞きました」
「一体なにかな? 」
「さっきのは『エルフ
「『エルフ
だが本人を含む全員を
興味が
「この歌はタウの森に古くから伝わるものでな。精霊に
「何でこんな精神攻撃のようなことに」
「
「民族……いや氏族に伝わる歌か。歌の内容自体は普通なんだが……」
ケイロンは頭を振り気分を取り直すような
セレスティナはすぐさま分析に入り、スミナはげっそりとしていた。
彼女達は旅を楽しむ
★
「「「おー!!! ここが王都か! 」」」
三日後
それぞれの家に着く前に
「では冒険者ギルドへ行きましょう」
「「「お嬢様は一旦家にお戻りください」」」
着くと同時に俺達は宿を取りに行った。
どこも満室に近かったが最後の一室をとることが出来たのは
ジュリア様が私達の
そもそも冒険者——しかもDランクになりたての俺達が貴族の
セレスティナも俺達について行くと言ったが
彼らはこれから
親に会いに行くことよりも自分の興味のままに動くのはセレスティナらしいと言えばセレスティナらしいな。ここ数日でよくわかった。
そして俺達は宿『精霊の
「精霊がいないじゃないか!!! 」
「当たり前だろ。
「本当にいると思ったのか、エルベル」
「そうそう、なんでいると思ったのかな? それこそ視ればわかるのに」
「……何でここにいる? ケイロン」
王子様の
だが
その小さなくりッとした顔をこちらへ向けさも当然のように
「何でって僕も
「いや確かにそうなんだけどな。向こうで準備とかあるだろ? 貴族の
「大丈夫だって。パーティーまでかなり時間があるし、それにほら」
そう言い一枚の白い高級そうな手紙を取り出してこちらに見せた。
「きちんとした理由——つまり先代アース公爵様への
せっかく忘れていたのに。
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