第百一話 アース公爵家
早めに先代アース公爵様に会いに行った方がいいということで俺とケイロンは翌日朝食をとって宿を出た。
スミナとエルベルはお
今回のご
特にエルベルがやらかすと思うと気が気でない。
「
「そうだよ。更に言うと王様——カルボ三世陛下の
「一体一年に何回
ははは、と
俺達がとった宿はバジルの町で言うところの商業区にあったようだ。
宿を出てからすぐに店が立ち並んでいる。
そしてそこにはいつもの人達が。
「……
「うう」
そう
お
そしてその周囲には彼らを
もちろん
「ねぇ。僕もあんな感じ、だったの? 」
「ああ、ほぼあんな感じだな」
それを聞き顔を赤くするケイロン。
ま、気持ちは分からんでもない。あれは
自分はバレていないと思っているのにバレバレな感じ。
そして周りの大人な
「あら、ケイロンでは? 」
顔を赤らめたケイロンと共に商業区を出ようとしているとケイロンを呼ぶ声がした。
一度足を止め二人とも女性の声の方を向く。
するとそこには冒険者ギルドの職員服を着た女性がいた。
「ア、アルビナ……」
「
「
ケイロンが答えるとアルビナと呼ばれた女性が
すると
「な、何?! ケイロンだと! 」
「ケイロン様がここに?! 」
「こ、殺さないでくれ!! 俺は悪い事なんてしてない! 」
「きゃぁ! ケイロン様よ」
「足で
周りの声を聞き顔を赤らめると同時に
今までにないほどの冷たい
「誰かな? 僕の事を悪く言ったのは……」
「ひぃぃぃ! 」
「こ、氷の女王が出たぞ! 」
「逃げろ! いや全員
「その冷たい
ケイロンが冷たく言い放つと
学園で何をやった?! ケイロン!
奴らの反応が普通じゃないぞ?!
それを外から見ていたアルビナと呼ばれた女性はクスっと笑いながらもこちらに向き直した。
「ケイロンの人気っぷりは
「こんな人気いらないよ」
やれやれと手を振りながらケイロンが言うとアルビナが何かに気が付いたようだ。
はっとした顔で言う。
「あ、私これから仕事があるからこれで! 」
「うん。またね」
「はい、後程
そう言うと大きな
アルビナが
「氷の女王って、何? 」
「……触れないで。学園の黒歴史だから」
どこか遠い目をしながらそう
しかしこのままここにいる訳にもいかないので俺達は移動することに。
広い道を行くと大きな広場のような場所に出た。
そこには何か
さらに中央通りを通り
「すげーな。バジルの町の貴族街は遠目でしか見たことないが王都の貴族街は
「ふふ、
「ああ……」
目の前に広がる高級住宅に目を光らせ
種類はいくつかあるが一番分かりやすいのが大きさだろう。
貴族街の隣にある王城に近付くにつれて大きくなっている。
「僕達が向かうのはあっちだよ」
ケイロンが指を指した方向を見ると、やはりと言うべきか一番大きな
正直今の
「なぁ……行かなくちゃいけないのか? 」
「もちろん。まぁいかないとこの国で生きていけなくなるかもね」
なんでそんな人が俺達を呼ぶんだよ。
悪い事じゃない、とジュリア様は言ってたけど疑わしくなってきた。
「こっちこっち」
ケイロンが
重い足を上げながらもケイロンに
最初の方、中央広場に近い家は比較的
それを
入ったらいけないような場所に入ったような緊張感だ。
すぐにでも帰りたい。
「着いたよ」
足を止めた先は四つある巨大な
巨大な門がありその前には
「ドラグ伯爵家の娘ケイロン・ドラグと
いきなりケイロンが話かけた。
ちょっ! ケイロン?! 何をいきなり!
「……
「こちらが紹介状になります」
ほら怒られた……。ものすごい
若い門番が
俺は一歩下がりもう一人の方を見た。
もう一人はどうも様子見の用だ。こちらを
「ちっ。この手の
「……アース前公爵様に直接来るように言われたのですが? 」
「立ち
「……いったん帰ろう、ケイロン」
「そうだね。話が通じそうにないから帰ろうか」
俺はケイロンに
もう一人の門番がじーっとこっちを見ているのに気付かずに。
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