第九十九話 いざ出発!!!
「やあ」
「少年、この前はありがとう」
「おお、この前の少年じゃないか! 」
「今回はよろしくお願いしますね」
「……僕の家族」
……
恐る恐る
現実は非情だ……。ああ確かに「現実は非情」でしたよ。
★
今日とうとう
俺達は準備を
俺以外は
俺はこの前セレスに買ってもらった服を着ている。
ケイロンに「に、似合ってるよ」と笑われて以降この服を着るのはあまり気乗りしない。
ちょっとした貴族気分になるかと思ったが、着なれない物は着ない方が良いとしみじみと思った。
俺達はあくまで「護衛依頼」ではなく「
アクアディア子爵家の人達も
なおいつの
そして待つこと四
俺とケイロン、エルベルとスミナ、そしてセレスを
アクアディア子爵家の馬車も
というよりも少し光って見える。
馬の足音が俺達の前で止まり、馬車の
そして
そしてケイロンが彼らの方へ行き
「父上。
「おっとすまないね。僕はドラグ伯爵家現
そしてその隣の金髪
「私はジュリア・ドラグ。ピーターの妻で、ケイロンの母になります。これからもよろしくお願いしますね。アンデリック君」
ニコリと
「少年、この前はありがとう。私は長男のアドレノ・ドラグ。王都までよろしくね」
そう
短めな黒髪と黒い瞳。身長は高めでエルベルと同じくらいだろうか。
だがその横にいる男性のせいで彼が小さく見える。
「俺は次男のケルマ! ケルマ・ドラグだ! これでも王国騎士団第三騎士団隊長を陛下から
彼に合わせたのだろう服はピッチピチだ。
恐らく貴族服でこれ以上大きな服を用意するとなると厳しいのかもしれない。
この中で一番背が高く、ケイロンと
長男のアドレノ様とは違いケルマ様は金髪に少し深めの茶色い瞳をしている。母親にだろうか? いや体つきは全然
よく馬車に体が入ったな。
と言うか第三騎士団隊長?! そんな人がここにいていいのかよ……。
「で、僕の
はははと笑いながらこちらに向き直すケイロン。
笑えねぇ……。笑えない家族
伯爵家当主に次期当主、そして王国騎士団第三騎士団隊長?!
今回の
屈強な騎士にどことなく強そうな魔法使い。
俺達、本当に『同行者』になってしまったよ。『護衛』じゃなくて。
トホホ……。
ん? ちょっと待て。
「あの……。もしかしてこの前言っていた
「え? 兄上達そんなこと言ってたの?! 」
「「……」」
俺がそう
するとぷいっと顔を
ケイロンの事だったのか。
そう思うとケイロンが好きな人と言うのが気になる。
なんだかな。このもやもやした気持ちは。
ケイロンとアドレノ様達が言い
「お
「これはセレスティナ
「
「ありがとうございます。また次の
貴族だ……。貴族の
しかしかなり関係は良いようだ。話の内容から
が、どうしてかアクアディア子爵家の使用人達からは緊張した
この
「今回は
「そんなことはないよ」
「そうよ。
「あの……
「ああ……あっちの
「さぁ分からないね。
「そうですか……。ケイロンにこれ以上迷惑が
な、なんて
貴族の
この先セレスを怒らせるようなことはやめよう。
「ア、アンよ。ワタシ達はこれについてくのか? 」
「あぁ。残念ながらこの集団について行くんだ。スミナ」
「ワタシこれに乗るの物凄く怖いんだが」
俺だって怖いよ。
出来るならセレスの馬車に行きたいよ。
セレスの馬車も貴族と言うだけあって
そして空気を読まない人がここに一人。
「おおー! おおー!!! 」
いつもと違う馬車やその周りの様子を見て
今回ばかりはエルベルの気持ちもわかる。そこにあるのは非日常だ。恐らく今回を逃せばもう一生乗ることが出来ないレベルの物だろう。
だが……その持ち主は貴族だ。
だからエルベル。抑えてくれ。
そう思いつつも俺達はケイロンに
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