第十三話 一日目の終わり
「お帰りなさいませ」
「「ただいま戻りました、フェルーナさん」」
「ただいま! ママ! 」
俺達とフェナもそれに応じた。
笑顔が
食事ができたのだろう。
いいタイミングのようだ。
「娘は何か
「いえ、そんなことはないですよ」
どんな食事か考えていると、フェルーナさんが心配そうに聞いてくる。
そうですか、とほっとしたような顔でにっこりとするといきなり
一体なんだ?!
「で、フェナ。なんでこんなに時間がかかったのかしら」
「え、え~っと……お、お兄さん達を
物凄い
いきなり怒りをぶつけられたフェナもおろおろとしている。
ああ……なるほど。
時間に厳しい、いや時間に遅れたらどうなるかが今証明された。
フェルーナさんの右腕がゴゴゴゴゴゴゴという音を今にも
恐ろしや……。
しかし今回はいくら怒ろうとも分はフェナにある。
何せ事前に行ってもいいといわれ、時間を指定されていなかったからだ。
まぁ確かに遅くはあるが。
「まぁいいでしょう。ご飯にしましょう。お客様方は
かかっていた
……
ケイロンと顔を合わせる。
「どうする? 」
「一回上がろうか」
「では、一階で料理の
「「よろしくお願いします」」
こうして俺達は二階へ行った。
★
「凄かったな、フェルーナさんの怒りよう」
「まぁ時間にルーズなのはあまり良くないからね」
「とはいえ、少し遅かったからと言ってあそこまで怒るか? 」
「ん~、本人はそう思ってないようだけど、フェナはまだ小さいから、ね。
ケイロンがそう言いながら部屋を見ている。
またもや机の下、ベット、
「一体何を
「忘れたの?
「けど、最初調べても何もなかっただろ? 」
「
そう言いケイロンは
まぁケイロンがそういうならば、そうなのか?
俺の
ん~、分からん!
「……ないね」
「やっぱり? 」
「だけど何だったんだろう、あれは」
「……分からないが……ガルムさん達の
「そうだね……。そう考えると……う~ん」
ケイロンが一人
部屋じゃない、
正直これ以上考えてもなにも出ない気がする。
立っているのも疲れたので大きなベットに腰を下ろそうかと移動している途中、ノックの音がした。
「晩御飯の準備ができた「ギャァ!!! 」……」
「晩御飯の準備ができました」
……。
フェルーナさんの教育的指導が発動したようだ。
大丈夫かフェナよ……。
★
「
たんこぶを作ったフェナを見ながら俺達はフェルーナさんの
「大丈夫です」
「ええ、僕達もこの町は初心者なので」
引き
ま、まぁ……ほどほどに、と思いながらも目の前に並べられた料理を見る。
白パンにソーセージ、スープにサラダ。
ソーセージはとても大きく、
またスープは白い色をしておりフェルーナさんに聞くところによるとシチューという物らしい。中には大きく切られた
そしてサラダはレタスであった。これもみずみずしい様子を出しており
「「クリアーテ様の恵みに感謝して」」
手を
パンを食べ、シチューを木のスプーンで口に入れる。
こんなの食べたことない。
感動が収まらないまま、ソーセージとレタスを木のフォークで。
ソーセージを
シャッキっという音がしたような気がする。
かなり
野菜に関しては家でも新鮮な物を食べていた。
更にソーセージとレタスを一緒に食べる。
ソーセージのみでも
食事の
するとそこには俺と同じく
食事の興奮冷めぬまま俺達は食事を終え、寝るために取っている部屋へ行った。
★
「
「本当にね」
そう言いつつ俺は服を脱ぐために服の
「わ……何するの?! 」
「え? 服を
「き、
「ああ……。そう言うケイロンはやらないのか? 」
「……どうやって? 」
「え? 魔法で」
赤い顔をしているケイロンの黒い瞳を見つめ、パチクリと時間が止まる。
ん? どういうことだ?
ケイロンは
「……洗うのかい? 洗ってしまったら明日どうするの? 」
「いや、だから
「まず普通は宿に頼むか、な。というか
何ということだ……。
俺は
家では
「な、なら……俺も服を
「いや、出来るのならやったほうがいいよ」
そうか。
上げた顔の先には苦笑いのケイロンがいた。
「
「いや、それは無理だ」
「確かにそうかもしれんが、店をやる程には魔力量が圧倒的に足りないんだ」
「そこまで使い勝手がいいものでもないんだね」
「と、いうかケイロンは出来ないのか? 」
「あー、できないね……。僕も一応魔法は使えるけど初級だけだし、生活魔法は勉強すらしなかったし……。それに
「なら俺がケイロンの分もやろうか? 」
「え?! いいよ! 悪いから! それに魔力量が少ないんでしょう? 」
「いやいや、流石に一回ずつ使ったからと言って魔力が
そう言い俺はケイロンに近付く。
「いいから、本当にいいから!!! 」
「まぁそういうなよ、
ゴトン。
ケイロンと壁の距離がゼロになった。
そして彼の青いブレザーに手が
「いぃぃぃぃやぁぁぁぁぁぁぁ!!! 」
ゴッ!!!
俺は
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