第十四話 精肉店 一
俺は夢を見ているのだろう。
何せこの
「アンデリックよ。もし冒険者になるのならば……」
「む、無理だよ、じいちゃん!!! 」
「
そして意識は
★
チュンチュンチュン……。
いつの
太陽の光と鳥のさえずりで起きる。
結局あの時俺はどうしたんだっけ?
記憶が
あの後、じいちゃんと一緒に山を下りたのは
いつの
「痛てっ! 」
昨日なにがあったっけ?
確か服を洗おうとして、ケイロンの服も洗ってやろうとして……。
そこから記憶がない。
それになんで俺はベットで寝てるんだ?
ベットから離れ、体を動かす。
少し昨日よりも広い感じがするのは気のせいだろうか?
コンコンコン。
「お、おに、ひぃ! お、お客様。朝食の準備が
「あ、あぁ……。今行く」
フェナのようだ。
どうやら
フェナの悲鳴が聞こえた。
あれ? ケイロンはどうしたんだ?
先に一階に行ったんだろうか?
そう思いながらも準備を
★
一階へ行くと、朝食が並べられた机とケイロンそしてガルルさんとフェルーナさん、そしてフェナがいた。
「おはようございます」
まだしびれる
「お、おはよう、デリク」
「おはようさん」
「おはよう、ですわ! 」
「こら、貴方達! おはようございます。アンデリックさん」
少ししどろもどろな感じのケイロンや宿の人達が
ケイロンはどうしたんだろう。
目が右に左に動き、落ち着きがない。
「さぁ、ご飯を食べようよ」
「あぁ、そうだな」
まだ立っている俺をケイロンが
椅子に座り、机に置かれた朝食を見る。
今日は昨日と少し違うようだ。
パンではあるが、昨日のような白パンではなく長いく硬そうなパンである。
しかし色は黒ではなく茶色と白が
それに加え、卵焼きに昨日と同じくレタス。
そして木のコップ一杯の水。
こ、これが町宿の朝食というのか?!
俺の家の朝食とは大違いだ!
「「クレアーテ様の
食前の
まずは水を含む。
寝起きなせいか
そしてパンを
ガリッ!!!
か、硬てぇ……。
少し水を飲み、
硬いが
卵焼きに手を付けた。
貴重というほどではないが、卵は比較的高い。
それを朝から食べれるなんて、なんと運のいい事か。
最初に出会ったもふもふ
卵焼きもこれまた
「これは調味料がはいってますね……」
ケイロンが調味料を使っていることを
これは普通の卵焼きじゃないんだ……。
勘違いした俺はちょっと恥ずかしい。
「あら、お分かりですか? 本当にちょっとしか入れていないのでわかるとは思わなかったのですが……」
「何の調味料かお聞きしても? 」
「秘密の隠し味、です」
フェルーナさんがにこやかに答える。
答える気がないようだ。
ケイロンもそれを
レタスもシャキシャキと音を立てながら食べ、俺達はほんの数分で朝食を終えたのであった。
「実はなんだけど……」
「どうした? 」
何やら
食後の満腹感に
どうも
「
「え、そうなの? 」
そう言うと、
「勿論追加料金はガルムさんに僕から出しているから問題ないんだけど……」
「だけど? 」
「……パーティー、どうする? 」
「ん?
「……
黒い髪を下に向け、
その顔からは解散したくない、という気持ちがくみ取れる。
「別に気にするほどじゃないだろう? 今日からよろしくな! 」
「!!! よかったぁ! ありがとう!!! よろしく!!! 」
俺の言葉にほっとしたのかパッァ! と顔を上げ、笑みを見せる。
解散されるかもしれない、とそこまで心配していたのか。
まぁここまで思われるのは嫌ではない。
それにしても
男なのが
「それで兄ちゃん達、ギルドに行かなくていいのか? 」
「「あっ!!! 」」
ガルムさんが聞く。
朝食の
★
ドラグ伯爵領バジルの町の冒険者ギルド。
そこは前に来た時よりも
いや、
一つの暴力の
「な、なぁ……この中に
「む、無理だ、よ……」
今日も白いシャツに青いブレザーのケイロンはその黒いポニテと共に顔をしゅんとさせた。
この中に入るのは
だが、いかねば依頼を取れない。
しかし……無理だろ……。
そうこうしているうちに、すぐに
一瞬の事で何が起こったのか分からなかった。
「行ってみようか」
「そうだ、ね」
お
……そこには依頼書が
「なるほど、ね」
「依頼書がなくなったから、冒険者の
目の前に広がる木のボードを
しかし全部なくなったわけではないようだ。
ちらほら依頼書がある。
「これは? 」
「【Fランク依頼: 肉の解体補助: 依頼主: ヘレン】ってこれ、昨日のおばさんじゃないか」
書かれた依頼主は昨日市場に行く途中に出会ったヘレンさんだった。
本当に出してたんだ。
「
「……Fランクの依頼にしては良くも悪くも普通って所かな」
依頼書を見ながら、考える。
まぁ普通なら、受けてもいいんじゃないだろうか。
「じゃぁこれを受けようか」
「うん! そうしよう! 」
俺とケイロンは依頼を手に持ち受付へ行き、処理を
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