第百四十七話 昇爵と勲章とそれと...... 一
俺達を乗せた馬車は王城の
ゆっくりと止まったためか、はたまたこの馬車の性能がいいためか停止時の
「ではこちらになります」
外側から馬車の
その後ろから降りてくるように言われた俺達は顔を青くしながら外に出る。
太陽の日がこれほどまでに
「さて、ここから城内へ入ります。まず私の後ろをついてきてください」
説明を受けて城内へ入り、指示通りにドーマ
通りがかった使用人達が頭を下げるも、
ううう……。罪悪感と緊張で気持ち悪くなってきた。
「まずこちらへどうぞ。
客室の前まで来るとそう言い中へ入るように
部屋の
ドーマ
中で待機していた一人のメイドが、俺達が高価なソファーに座るのを確認すると白いサービスワゴンを押しながら近寄る。
メイドによる自己紹介もほどほどに彼女は紅茶を
「
「「「……はい」」」
「ではごゆっくり」
そう言い
「「「はぁぁぁぁ……」」」
「何でこうなった? 」
「ワタシが聞きてぇ」
「……」
メイドがいなくなり少しばかしか余裕が出来た俺達は口を開く。
ここまでくるのにかなり消耗したがスミナやエルベルも同じようだ。
ソファーにぐったりと倒れている。
「え、これから国王陛下と会わないといけないのか? 無理だろ」
「アン、正直に言いな。何やらかした」
「なにもやってねぇよ」
「でもよ。何かやってねぇとこうはならんだろ」
「確かにだが、本当に心当たりがない」
「そうか……」
と、だけ言い
彼女とエルベルは完全にとばっちり、でもなさそうだ。
何せ俺だけ行くと誤解して移動しようとしたら「二人も」ということだったからだ。
ならば
「……エルベル、か」
「な?! オレは何もしてないぞ?! 」
「駄乳エルフ。お前いつもやらかしてるだろう」
「この前はアクアディア家でやらかしたし」
「知らない
「ああ……短い人生だったぜ」
「知らない、オレ知らない! 」
俺達が
それで排除か。ならば俺達のとる行動は一つだな。
「最悪エルベルを置いて逃げるか」
「そうだな。この精霊狂いは置いておくべきだ」
「今思えば
「普通に考えて犯罪だよな」
「
俺とスミナが
少しがくりと
一体何が原因なのか考えていると
入室を許可するとケイロンとセレスが入ってくる。
「久しぶり」
「お久しぶりです。
「俺達は……
「ああ、ギルドに
「「??? 」」
それを聞きどこか
やめてくれ。泣きたくなる。
「それは、大変だったね」
「ああ、そっちはどうだったんだ? 」
「ワタクシ達は事前まで王城に
「夜会が始まるまで同級生と話してたよ」
どうやらケイロンとセレスは
まぁ貴族やその子息子女が王都の方に出るのも問題か。
昨日の事を話しながらもケイロンとセレスは俺達の前にあるソファーに座る。
ケイロンはいつもと違い白いシャツに赤いブレザー、そして白のパンツであった。赤いブレザーには所々
セレスは逆に白いシャツに
いつもと違う服装に違和感を感じながらも一言。
「私服? 」
「違う、違う。正装だよ」
「アンデリックはいつもと同じ服装の様ですが」
「俺達は宿に戻った瞬間ここに連れられてきたからな」
「ケイとセレスもとなるとこれは本格的にヤバいな」
「ああ、そうだな」
「「何が (でしょうか)? 」」
「何がって……そりゃ……」
そう言い俺は予想を口にしたらケラケラと笑い出した。
俺達はそれを
「勘違いしてるよ」
「ええ。これを陛下が聞いたら大笑いするでしょう」
「だが、これと言って王城に呼ばれる理由が見当たらないんだが」
「ドーマ
「ああ。
「なら僕達が言えることはないね」
「悪い事ではなですね。アンデリックにとっては」
笑い過ぎたせいか出てきた涙を白い手で
どうやら本当に悪い事ではないようだ。
二人共来たから全員で罰を受けよとか言われるのかと思ったが違うようだ。
しかし二人は何か知っているようだな。
心の準備ができないじゃないか。悪い事でなくても多分心臓に悪いやつだ。これ。
「そうだ、デリク。マナー講座の続きだよ」
「え? 」
「国王陛下と面会する時のマナーをまだやっていなかったのでこれを
「失礼のないようにね」
「いきなりか?! 」
「時間も
「
「
「負けるな、デリク! 」
「何言ってるの? 二人もやるんだよ」
「「な、ん……だと? 」」
「当たり前です。エルベルさんもスミナさんもこれから面会するのですから」
「い、いや。ワタシ達はここで待ってるよ」
「そ、そうだ。待ってる」
「そうは行きません。さぁやりますわよ」
セレスティナ先生とケイロン先生
彼女達との練習が終わるとノックがする。
返事をして入室を許可すると女文官が入り玉座の間へと案内する
さぁ、行くか。
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