第百四十八話 昇爵と勲章とそれと...... 二
「面を上げよ」
「「「ハッ!!! 」」」
正面にいるカルボ三世の一言により
めっちゃ緊張する……。
事前に悪い事でないと知らされているものの緊張するなと言うほうが無理だ。
そしてここに
恐らく彼がカルボ三世だろう。そしてその隣に何故かエカがいた。彼を発見したと同時に嫌な予感が
エカ、エカ……まさかエレク王子が
その答えに行きついた俺は向こう側でニヤニヤしているエカを顔を
そして次に目に入ったのはエレク王子の隣にいる三人の獅子獣人だ。
王家の紋様が入ったその煌びやかな服装で一人は王様でもう一人は
そしてその隣には……めっちゃ見たことのある女の子がいた。
そう言うことかぁぁぁぁ!!!
心の中で叫び
緊張しながら進むと少し余裕ができ視界が開ける。
まず俺達の目に映ったのは隣に副官のような男性を連れた
そしてドーマ侯爵の少し手前側には両側面に高位貴族と思われる四人の男性が見える。
アース公爵がいることを考えると恐らく四大貴族と言うやつだろう。
だが出席している貴族はこれだけであった。
それだけ
そして事前の予習の通り俺達は
★
「セグ卿」
「ハッ! 」
「貴族子息子女の大規模
「
「うむ。しかし
「ハッ! 獣王国『ビスト』王女、リン・カイゼル殿下の救出並びに事件の解決に関して報酬を――」
その大きすぎる報酬に気を失いかけながら俺はただただうろ
「いやぁまさかあの場に王女様がいたとはね」
「まさか
「警護は何やってるんだ」
「どうやらお
気を失いかけながらも
彼女達は先日知ったらしい。
リン王女とはあまり交流がなく顔も知らなかったとか。
だから分からず、いたことを聞いて俺達同様かなり驚いたようだ。
「町で
「さぁ? でもそれで国軍まで町の巡回に出たらしいよ」
「そのおかげかその後は事件もなく無事終えましたが」
それを聞き結局の所王都騎士団や憲兵の
全てが終わり自分達の安全が確保されたがスミナは緊張がまだ抜けてないようだ。
しかしエルベルはすでに解放され部屋のあちこちを回り珍しいものを見ては目を
ある意味エルベルは大物だと思う。
この時だけは
「で……なにこの
「一国の王女を僕達だけで助けたんだよ?
「ええ。きっちりと
「騎士爵でも身分
「正確には
「
「二つの国の
「ええ、恐らく」
二人の会話を聞きながら受け取った物を
まずは報酬ということで王金貨十枚と白金貨五十枚の金銭。こまごました金額も言っていたような気もするが王金貨が出てきたところで考えるのをやめた。
「一気に大金持ちだな! 」
「エルベルは、大物だな」
「ワタシだったら震えが止まらなくなるな」
「今まで以上に貴族章の取り扱いに気を付けないといけませんね」
「ははは、その内強盗が入ったりして」
「笑えない……」
王金貨は白金貨百枚相当だ。もちろんこれを直接受け取ったわけではない。どうやら国営の銀行もあるらしくそちらに振り込むとの事。そこまで行き貴族章を見せれば払ってくれるらしい。
普通は領地経営に使うようだが俺は冒険者という名の無職貴族だ。
次に
「
「ま、一歩間違えれば獣王国側の戦争
「戦争を
「国内にも戦争をしたがる人はいるってこと」
「そいつらが今回の事件の裏を引いてたのか?
「シリル公爵のような
「というと? 」
「戦争が無いと自分達が活躍できないでしょう? 議会とかで自身の発言権が低くなったりするのです」
「お金のこともあるだろうね。ほら、武器や薬を売って
全くもって
「そして
「
「
「ヒィヤァフゥゥゥ!
「駄乳エルフが
「何?! オレ達は住めないのか?! 」
スミナの
いや、住んでもいいけど住める
他の
「なぁなぁデリク、住んでもいいよな」
今までからは想像できないような初めて聞く
「……はぁ。いいよ。
「やったぁー!!! これで精霊様がお住まいになると
「「「あ……」」」
あ“あ”あ“……そうだった!
ひーちゃん達を住まわせないといけないんだった!
どうしよう、と他の面々を見る。
「これは……まずいですね」
「まさかタウ子爵家の
「使用人達が逃げてしまいます。どうにかしなければ」
ここにきて急にエルベルを住まわせたくなくなったぞ。
ケイロン達も考えてくれているようだが
どうするべきか、と考えていると
「何だろう? 」
「
「帰る準備かもな」
「どうぞ」
「失礼します」
顔を見合わせる中一人のメイドが入って来た。
彼女はすぐに平常心に戻り鉄の仮面で俺達に用事を伝えた。
「エレク王子殿下、リン王女殿下、加えてウォルター王子殿下がお茶会に、と」
「すぐに行きます」
そう言い俺達は王族のお茶会に呼ばれるのであった。
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