第百四十九話 王族達のお茶会
「やっ! 」
「その
「初めまして~」
メイドに連れられてやってきた
一人は『エカ』と言う名の
もう一人は賊から助け出した
そして……。
「ぼくはドラゴニカ王国第一王子ウォルター・ドラゴニカだよ。よろしく~」
セレスと同じく
「初めまして。私はアンデリック・セグと申します。ウォルター・ドラゴニカ王子殿下」
「
「は、はぁ」
「そうです、アンデリック様。この場で
「そうそう。第一、呼んだのは僕達だし」
ドラゴニカ王国の王子様の言葉でその他の王子王女がもっと
しかしそれは少々無理のある話だ。
そして
「まぁ
エレク王子がそう言い自分達の隣を向いた。
そこには真っ白く丸い机がありメイド達が人数分紅茶を出している。
どうやら俺達は王族から逃げられないようだ。
俺達が座るのを確認してリン様が席を立ち口を開く。
「まずお礼を言うのが遅れたことを謝罪します。本来ならばすぐにでもお礼を言いたかったのですが状況がそれを許さず……。この
「お、俺達は
そう言い頭を下げるリン王女。
「その『当然』ができる者が多くいればいいのですが。しかし英雄殿を困らせたらいけませんね、ふふ」
そう軽く微笑みながら再度座り直した。
その次にエカことエレク王子が口を開く。
「ボクからもお礼を言うよ。ありがとう。最悪の事態を
「……いえ、それほどでも。報酬は
「はは、そうだったね」
「そう言えば殿下、ケイロンやセレス……セレスティナと知り合いなのですか? 彼女達はあまりパーティー等社交界に出てないように聞いたのですがばふぅッ! 」
前に知り合いということを言っていたのを思い出し聞いてみようとすると両側面から
い、いてぇ……。暴力反対!
何をそんなに
「そ、そうだね。
「恐ろしいなんてそのようなことは無いですよ、殿下」
「その判断は
王族の口を
エレク王子が冷や汗を流しながらこっちを見て、「ごめんね」と目で言ってきているのが分かるよ。
「そんなに面白いのならぼくもそっちの
何を思ったか命知らずなこと言い出したドラゴニカ王国の王子。
これのどこを見て面白いと? 目は
「こっちの
「まぁ……あれは置いておいて、単純に面白そうだなと思っただけだよ」
「あら、ドラゴニカ王国の学
「……同級生ぼく一人のどこが楽しいのさ」
悲しいような目を
え……ドラゴニカ王国ってそんなに
学園生活というものがどういうものかは想像できないが物凄く
俺も司祭様と勉強する時同い年の子はほとんどいなかったし。
「同級生どころか上も下も誰もいなくてほとんどがドラゴニカの研究員。
目線を戻して微笑む王子様。
俺よりも
流石に
「そんな時に
「私は全く聞いていませんでしたが」
「聞いてすぐに婚約を申し入れたんだけど」
「お断りしましたわ」
「「「なにぃ?! 」」」
王子、王女様含め俺達全員が驚きの声を上げ二人を
王家からの婚約をあっさりと断る?!
ヤバすぎだろ、アクアディア家!
「ちょ、ちょっと待て。それって外交問題にならないか? 貴族初心者の俺でも何かがまずいのは分かるぞ?! 」
「それは大丈夫です」
「ははは、ぼくも断られるとは思わなかったけれど、思い返せば会ったことのない女性に婚約を申し出るのはまずかったと反省してるよ」
「かといってドラゴニカに戻るつもりはありませんが」
「……どういうこと? 」
「ねぇデリク。なんでアクアディア子爵家がカルボ王国の公爵家にかじりついて無事なのか不思議に思ったことない? 」
「そりゃぁあるが……」
「カルボ王国ではアクアディア家は子爵家だけどドラゴニカ王国では公爵家なんだ」
「「「……は??? 」」」
ケイロンのその言葉を聞き頭を痛め手をやる俺。
スミナとエルベルも同じようだ。わけがわからないという顔をしている。
「まぁ昔の事を
「そんなのありかよ……」
「他の国ではない制度だね。だけどこれのおかげで軍事的に強くない我が国は周辺各国と良好な関係を
ツッコミたい、ツッコミたいが……やめておこう。
また今度聞こう。
「で、アクアディア子爵家は
「……何でそんな
「それはワタクシから。アクアディア子爵家の
「「「それだけかよ!!! 」」」
たったそれだけでこの国に、あえて低い爵位に甘んじてるのかよ……。
恐るべし、アクアディア子爵家開祖。
ん? ちょっと待て。ならばコウ様ってもしかして公爵家当主もやってるのか?!
「まぁ、長命な分変化が少ないからね。
「そのようなところです」
「付け加えるなら結構結婚に対して自由だから、別に王族からの結婚を断ったとしても
「変化の少ないドラゴニカ王国で一生を
なるほど……とはならん!
キリッと王子の方を見て「王子と結婚することはない」と言ってるけど、王子
二回目! しかも今回は直接目の前で、しかも他の国の王族の前で
セレス、エレク王子やリン王女を見てごらんよ。
もしかしてウォルター様、結構本気だったんじゃないか?
本当にこれ大丈夫なのか。
「コホン。まぁそのようことも、あるでしょう……」
ウォルター様の命の
「皆様。これから
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