第二十話 店番 三
フェルーナさんの差し入れを食べ終え、午後の部を開始した。
再開したのを
「こ、これはまずいな」
「え、僕また行かないといけないの?! 」
「……すまない。
「す、捨てないよね! またあの
「現実とは……
「でも!!! 」
「大丈夫、死にはしないさ……タブン」
「いぃぃぃぃやぁぁぁぁぁ!!! 」
こうして
彼が出ていくと同時に話
どうも
「「「いらっしゃい」」」
……
受付と店の中を行き来する。
そしてその時が
ケイロンのおかげか、はたまた彼のせいか
しかも
さて、どうしよう。
ケイロンは嫌がるだろうが、それが一番
役割
「まずい、な」
「おう、何がヤバいんだ? 」
独り
反射的に見上げるとそこにはこの店の店主で俺達の雇い主——クマツさんがいた。
「お、こりゃすげぇ。朝だけでこれだけ売り
「ほんとだね、これはすごい」
その後ろからはベアおばさんもやってくる。
二人は
「今すぐ
「は、はい!!! 」
こうして新たな
★
「いやぁ助かったわ。今日はそんなに多い予定じゃなかったんだが、どういうことだ? 」
「それは……」
クマツさんの
一人
「悪かったって……」
「途中で変わってくれても良かったじゃないか」
「変わったら多分
「それはそうだけど……」
ベアおばさんがつけている
「今までで一番の売り上げだね、毎日来てほしいくらいだよ。本当に一体どんな手を使ったんだい? 」
「実は……」
と、言い今日あったことをそのまま伝えた。
「あ~多分それはスラムの
「スラム、ですか」
「そうだ。と言ってもこの町のスラムはそこまで大きくないが」
俺達と目を合わせていたクマツさんが違う方向を見る。
「
「それだけならまだかわいいもんだよ」
「今日のように迷惑をかけてくることがあるんだ。多分だが外から来たのだろう。この町のルールを知らねぇ」
「
「それにこの町のスラムの
しんみりとした
「さぁ、こんな
パン!!! と手を
同時に
それに
な、なんと
「今日これだけ売ってくれたんだ、少し報酬に
「「ありがとうございます!!! 」」
「よかったら、また受けておくれ。
それは素直に嬉しい。
依頼書を渡すと、依頼達成のサインを書いている。
それに何か追加で書いているようだ。
何にせよ、自分達の仕事が評価されるのは
サインされた依頼書を受け取り、ケイロンが持っていた
そして
「あぁ……そう言えば」
と、クマツさんが言った。
どうしました? とその足を止め話を聞く
「いやぁ、山——
「そうだね。確かに少なかったような気がするね」
「まぁギルドや
「まぁ少ない時もある。気にしなくてもいいとは思うよ」
じゃぁね、といい俺達は見送られた。
その
多少気になることもあったが、今回の依頼もおおむね
★
「くそっ! 一体なんだんだ! この町の奴らは!!! 」
俺は壁に拳を叩きつけた。
痛い……。
だがそれ以上に今の状況が良くない。
「姉さん……」
「この町から出ましょう」
「
金がない……。
どこで間違ったのか……。
ここにきて思い出す。
村を出て冒険者になった。そこまではよかった。
だがその後だ。
あらぬ疑いをかけられてギルドに
くそっ! あのババア!!!
今思い出しても腹が立つ!
そして何年も町を行き来してここに
ふと俺の後ろについてきている子分を見る。
これからの事を考えてか、顔色が悪い。
「ね、姉さん。俺達二人で話し合ったんだ」
な、なんだ?
そんな
「姉さん、俺達を奴隷に落としてくれ」
「せめて姉さんだけでも……」
「ば、
こいつらは冒険者の時からの仲間だ。
そんなことできる
「だが、これじゃぁじり
ガサ……。
「全員声を
「いいか、声を上げるな。そして動くな」
声を
何年もスラムで生き、町を行きできたのは冒険者だった時の鋭い
「なにか、来る」
ゆっくりと……そう、ゆっくりと
何だ、あれは……大きい。
見えたのは黒い魔女のような姿の者であった。
しかし一般的な魔法使いの女、とは雰囲気が
ヤバい、あれはヤバい!!!
そう直感で感じた瞬間「ヒィッ」と誰かが声を上げたのが聞こえる。
その声の方を向くと、手を口にやり冷や汗が流れている子分がいた。
背後に
「お、おま……」
「貴方達は……いらない」
声も上げられず、嫌な音を立てながら彼女達三人はこの
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