第百五十二話 リンと俺と仲間達 一
リンの
リンから「アンデリック様を殺すつもりですか! 」と怒られしゅんとなっているフェンさん。
今までの様子からは予想が出来ないほどに
「しかし最後の攻撃を避けられるとは思いませんでしたわい」
「……一瞬『死』を感じ取ったので」
「その
嫌です! あんな勝ち筋の見えない戦いは嫌です!
必死に目で訴えるもそれを
俺達が話していると後ろから複数人の手を叩く音が聞こえてくる。
すぐさま振り返るとそこにいたのはカルボ三世とカイゼル五世だった。
「よい、よい。今は公式の場ではない」
「
「いい試合だったぞ。セグ卿」
「お
やりたくはなかったですけどね。
「カイゼル殿、これならば問題あるまい」
「任せても大丈夫そうですな」
何やら顔を見合わせ
それを聞いてか
「我々はこれから
「わかりました。
「うむ。使用人などの人材だが卿に
「
「これからの
「リンもこれからカイゼル陛下と共に行きます。アンデリック様の今後に
「ありがとう、リン」
「じゃな! またやろう! 」
そう言い両国の王とリン、そしてその護衛達は王城の中へ行った。
それを見届け全員顔を合わせる。
「さっきの戦い何?! いつの
「ええ。今までとは
「ハハハ……。低ランクでもモンスターを大量に毎日
俺は
「くぅぅぅ! こんなことになるなら
「あんなつまらないパーティーに行くぐらいならアンデリックの成長を記録した方が
「王子本人がいる中でよく言うな、二人とも」
「いつもこんな感じだから気にしないよ。スミナ殿」
そうは言うものの泣きそうなエレク王子。
本当に
自分の
「ま、二人共戻ってきて。これから子爵家へ案内するから」
「殿下が、ですか? 」
「ボクの事は今まで通りエカで良いよ」
「流石にそれは……」
「エカだよ、エカ。それに敬語もダメ」
何故かため口を
必死さが
もしかして友達が少ないのだろうか? それともケイロンやセレスと俺のやり取りをみて
分からないが、さかわらない事が一番だろう。
「わ、わかったよ。エ、エカ」
「よし! 友達ゲット!!! ……ボソ」
小さな声で言ったつもりだろうけど丸聞こえですよ、エカさん。
「じゃぁ行こう!!! 」
エカに連れられ俺達は王城を後にして子爵家邸へ向かった。
★
「……
「
「ハハハ! これで精霊様と
「来てしまったな」
「来てしまいましたね」
「エルベル殿はどうしたの、アンデリック君?! 彼女なんかおかしいよ! 」
来てしまった。
俺達は
周りに他の
門を
時々手入れをしているのか花の
王都の店などに見られる赤い
これだけ見ると言い
しかし素直に喜べない。
いや、冒険者として本拠地を持つことは自体は良いんだが不安材料が今
エカはかなり
ここまで来るのにも大変だったが、今ほどではない。
「まだ来てないのに」
「これ精霊達が着たらまずくない? 」
「最悪あの駄乳エルフ、命を落としかねんぞ」
「ハハハハハ! ヒィヤァフゥゥゥ!!! 」
庭で一人
なまじスタイルも良くそれを
風の精霊魔法を無意識に使っているのだろうか。彼女の周囲に
そして
何この無駄技術! と言うか
「怖い、怖いよ。エルベル殿」
「エレク殿下。見たらだめですよ」
「そうだよ、殿下。あれは触れてはいけない存在だったんだ」
「それにここで見たことを話したらダメですからね」
「わ、わかったよ。だからそんなに威圧しないでよ」
俺の隣で王子に圧力をかける貴族子女達がいた。
普通逆じゃないか?
彼女達の学生時代がめっちゃ気になるんだが。
「色々、
「そうだな。進むか」
「お、置いてかないでよ。アンデリック君」
「ワタクシ達も行きますわ」
「エルベルはどうするの? 」
「放置! 」
「あはははは!
俺達が進もうとすると
俺は違う意味で顔を赤くした。
そうだ。セレスやスミナ、ケイロンも住むんだった。
か、かえら……ないよね。うん。分かってた。
エルベルはともかく、特に貴族子女二人はまずいんじゃないか?
それを口にしようとするも何故か
言ったらだめな気がする。
「さ、この
スミナのその言葉で我に返り、前を向く。
木で出来た――しかしがっしりとした
「お帰りなさい。あ、な、「いーえーだー!!! 」」
ドン!!!
何か聞こえたと思ったら俺達の後ろではしゃいでいたエルベルが
「「「何が??? 」」」
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