第六十七話 スミナの奮闘 四 腕輪の完成と変な依頼
アンデリック達と
目に映るのは先日手に入れた魔法陣である。その横にはいくつかの魔石と
魔法陣と術式両方教えてもらったが術式は長く
よって魔法陣を
「図の縮小化がうまくいかねぇ……」
思った以上に魔法陣が大きかった。
それもそのはず
その大きな魔法陣を魔石に
燃えないよう特殊な紙に書いた魔法陣を見ながら考える。
いや、無理だな。そっちはワタシの分野じゃねぇ。
術式を腕輪に書き込むか?
ありだが、と思い作ってみた腕輪を見て
とてもじゃないが
今回の神聖魔法の術式——文字や数字等の
珍しいものではないが今回は
短い術式ならそれを書き込めばいい。長い術式ならば腕輪を大きくしたり文字や数字の大きさを変化させたりと色々な方法がある。
しかし今回のような円形、つまり始点と終点が同じ場合はぴったりくっつくように書かなければならないので
よってスミナはこの術式を
アクセサリーを作るだけで別に魔法を
今できる最高のアクセサリーを作ることしか考えていないのだ。
「おう、どうしたスミナ。頭
声の方を向くとそこにはハンマーを肩に
紙があるということで燃やさないために
「父ちゃん……」
「なんだそれは? 」
ドルゴの言葉に「まず! 」と思い、腕の下に隠した。
「何でもねぇよ」
「いや、今さっきあからさまに隠しただろ」
「いいから! 」
そう言い
「はぁ、おおよその
「うぐっ! 」
「それにその隠しようだと
まさにその通りである。
スミナの顔が
変なところで素直なのだ。
「まぁいい。
「それはどういう」
「あとは考えな。じゃぁな」
そう言いドルゴは自分の
★
四日目。
まだ
「できねぇ……。やっぱ信仰心的な物が
一夜かけて小さくは出来た。
むしろ一夜で出来たことから彼女の才能ずば抜けているのは分かるのだが比較対象がいないため彼女は気付かない。
が、ここでまた
小さくしたそれを小さな魔石に書き込むのはまた別の話である。
小さくカットされた魔石に魔法陣を書き込むのは骨が折れる作業だ。
目を休ませるために部屋の中を少し歩く。
初めてあった時を思い出す。
確か子供と間違われたんだっけな。で、ケイロンが気付いて、パーティーに入れてくれって言ったら父ちゃんのいつもの
やっと来たと思ったら
「ワタシの方が早く言ったのにな。入れてくれって。だけど、な」
あの
「ふふふ……いいなぁ。入りたい……」
少し笑みを浮かべながら外を
その時机の上で蒼白く光っていたのを彼女は知らない。
★
五日目。
夜も
そしてその時が訪れる。
スミナは今震える手で『それ』を持っていた。
「で、できた……」
見つめる先は小さな魔石。その隣には
魔法陣が
「けど、なんで……」
理由は分からない。何が良くて何が悪かったのか
が、できたのは事実だ。
「よ、よし。これを
パリン。
「あ……」
興奮のあまり込める力が強すぎて魔石が壊れたようだ。
もう一回やり直しである。
★
スミナと別れて六日目の朝。
俺達は今冒険者ギルドの依頼ボード前にいた。
「デリク、この依頼とかどう? 」
「クワーハハハ、オレにかかればどんな依頼でもこなせる! 」
「エルベルには聞いてないよ」
「なん、だと? オレの力が必要ないのか?! 」
「必要だけど……。お願いだから少し落ち着いて」
パーティー名を決めて登録した時からエルベルのテンションが物凄く高い。
はっきり言って俺とケイロンは毎日依頼ボードの前で
少し声量を落とすなり、行動を
「依頼は……【スラム街の探索】? 何だこれ? 」
「わからないけど普通じゃないよね。それにここ」
そう言い少し不安げに依頼主の
「【町役場】? 【ランク
「うん。依頼の内容にしてはかなりあいまいだし、ランク
「そうだな。高すぎる……。やめておくか? 」
「いや、受けよう。何か良くない事が起こっているような気がするから」
「そんな
「ハハハ!!! オレにかかればその依頼もすぐに終わるさ! 受けよう、ケイロン!!! 」
後ろにいたエルベルに
こ、こいつ、何て
巨大なパンがケイロンの背中を
なまじサラサラとした黒いインナーのおかげで
ケイロンの顔が真っ赤だ。
「ケイロン……。後で話がある……」
「え? 僕悪くないよね?! 」
話しかけると泣きそうな顔を俺の方へ向け、
くっ!
「デリク?! どうしたの! 赤い涙を出して! 」
「ハハハ、デリクよ。どうしたのだ? そんなのでは
こ、こいつら言いたい放題言いやがって!
俺の視界が赤く
「ま、まぁ受付に行こう! うん。早くそうした方が良いと思う」
「ははは! オレを連れてけー!!! 」
「くそぉっ!!! 」
俺は仕方なしにこの
横を見るとケイロンの背にエルベルが乗っかってる。
と、いうよりも引き
その状態で受付に行き「もう
「今回の依頼の
「「「町役場で? 」」」
「ええ、これも
そう言い受付嬢はペコリと一礼して言葉を
この状態のまま俺達は町役場へと向かうのであった。
大丈夫。何もないはず。
ケイロンは
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