第二十九話 ゴブリン退治 一 移動
俺達は専属受付嬢に
「大体、私がいない
くどくどと言っているが、自由を愛する冒険者が依頼を
俺達の
「何
彼女が青い瞳で
その
「まぁいいでしょう……明日、この依頼を受けてもらいます」
「依頼? 」
手に持つ茶色いものを俺達の前に出す。
すると俺達は
【ゴブリン討伐依頼】
そうそこには書かれていたからだ。
「拒否します。まずもって俺達が
「そうです。いくら貴方が専属だろうと
「
聞き
勝手に依頼を受けて、受領印を押し、しかも何も準備をさせずに明日?!
頭
「明日?! ふざけているのですか! 討伐依頼に準備をさせずに行かせるのですか! 」
「そうですが、何か? と、言うよりもきちんと依頼書を見なさい」
あまりに
そこには、『
「今回のこの討伐はこの町にしては
受付嬢は
だがダメだ。今回はダメだ。
嫌な予感がする。
「それでもお
「受領せずにとっておくだけならまだしも受け付けている状態はおかしい」
「つべこべ言わずに受けなさい! じゃないと他の人に迷惑が
そう言い残し、受付の奥にある部屋へ行ってしまった。
怒りを
あの
そのような中すすり泣く声が聞こえてくる。
まだ
その泣き声は大きく聞こえた。
「あれは……仕方なかったんだよ」
「だけど、だけど……ルゥが……」
その声に気付き
ふと反射的に声がする方を向くとギルドの奥、丸い木の椅子に二人の男性が座っていた。
「何でこの近くにデビルグリズリーがいるんだよ!!! 」
「グスン……
その二人の様子を見て俺達はいたたまれない気持ちになった。
そして同時に明日、行かなければならないゴブリン退治に不安を
★
翌日。
結局の所、冒険者ギルドへ来た。
他の人に迷惑がかかるといわれたら断るにも断れない。
『
その言葉が頭を刺激する。
あの夢でも『
ならば
体調が悪いとなるとなおさらだ。
しかし夢の事が頭から離れない。朝からガンガンに頭痛もする。
「大丈夫、デリク」
ケイロンが心配し黒い瞳をのぞかせる。
「顔が真っ青だよ」
「あ、いや……大丈夫だ」
大丈夫だ。
あれは夢だ。夢なんだ。
腰に身に着けた
「出発だ!!! 」
大勢の冒険者がいる中、俺達は彼らの物資を持ち目的地へと向かった。
★
ゴブリン。
モンスターの中では最弱に位置するモンスターである。
ゴブリン討伐を成功させることによってようやくFランクからEランクへ
しかし
ゴブリン達は単体でいることが
何度も言おう。
『
「新人、何心配してんだ? 」
そう話しかけてくるのは
彼はDランク冒険者だが
この町の冒険者は戦闘が
それに加え戦闘を引っ
しかし不安がぬぐえない。
「この
「しかし……デビルグリズリーの事もありますし」
「あぁ……そう言えばそんな話もあったな。ランクにしてB
実際倒されたデビルグリズリーを解体したのでそれは知っている。
確かにそうだ。
この集団はゴブリンよりも圧倒的に強いCランク冒険者が
「何を心配してるのかは分からんが
ハハハ、と背中を叩かれながら
何とかして俺の不安を取り
それになんだか頭が痛い。
「着いたぞ、ここから先が目的地だ」
あれこれ考えているとリーダーである騎士風の男冒険者が全員に
いつの
そして準備を始めた。
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