第六十五話 スミナの奮闘 二 スミナとライカ
「ったく父ちゃんめ。
武器防具店『ドルゴ』の受付でスミナが一人
受付台には
これを見ながら何を作ろうか考えているのだ。
「何作ろうか。ん~」
ペンダントを
指輪、ペンダント、腕輪……色々と頭を
「指輪は……勘違いされそうだし、ペンダントは……」
アンデリックがペンダントをしている姿を思い出し顔を
「似合わねぇな。なら腕輪か」
どんどんと方向性を決めていく。
「腕輪……。何なら実用的な物がいいよな。冒険者、か。なら
スミナは
加えて大量の時間を
それならば剣のような武器や防具を作った方がいいと考えるのは
ペンダントをかざしながら考えているとカランカランと
「お、いらっしゃい」
「スミナじゃねぇか? 」
いつもならドルゴがいる場所にスミナがいることに驚きながらもてくてくと受付の方へ歩いて行く。
「ライカか、どうした今日は
「それがよぉ。この前の依頼で
よいしょ、と盾を受付に置きそれにスミナが周り込んで様子を見る。
「こりゃこっぴどくやられたな」
「ああ、ヒヤッとしたぜ。そこら
「こいつも
「俺もこいつに感謝だな」
傷を見ながらその
かなり大きな
良く
「そういや、ここら
「あ~護衛依頼で遠くに行ってた時にやられた」
「へぇ。
「あぁ。ま、個々の強さは名前ほどじゃねぇ。精々Cランクなんだが
ライカの説明に「そうか」と頷きながらも傷の
だから何があったのか聞いてみることに。
「しっかしよ。この傷はCランクがつけれるほどのもんじゃねぇぞ? 」
「
「どういうことだ? 」
「その
「ほんと
「
「はは、商売
スミナは
「盾として
「ならまだ使えるか? なんだかんだでこいつに
「父ちゃんなら治せるだろうよ。だけど治すのに時間がかかる。ちょっと待ってな、ライカの大盾は
すまねぇ、と言う声を
ライカの盾を持ってきて彼女に渡そうとしていたらライカが興味深そうに受付台の上をジャンプしながら
それを発見したスミナが「何してんだ? 」と聞くと振り返った。
「スミナは恋人でもできたのか? 」
「……なんでそうなる」
何をどうやったらそう言う
「いやだってペンダントがあるからよ。恋人にもらったか、渡すかのどっちかじゃないのか? 」
「ちげぇーよ。それは昔母ちゃんと作ったやつだ」
「なんだつまんねぇ。恋人ができたなら
「で、それ見て
「ちげぇよ。息抜きにもう一回作ってみようと思っただけだ」
それを聞きライカは目を見開いた。
昔アクセサリーやマジックアイテムを作っていたのは知っていたが、例え息抜きとしてもやるのかと。
「どういう風の
「別にいいだろ。ただ……」
「ただ? 」
「この前入れてくれそうな冒険者達に「息抜きに作ってみたら」と言われたんだ。ま、確かに息抜きは必要だ。将来のメンバーにいわれちゃぁ仕方ねぇってもんだよ」
冒険者、という言葉に引っかかったライカは更に聞く。
「へぇどんな冒険者パーティーなんだ? 名前は? 」
「そういや……パーティー名は言ってなかったな。名前はアンデリックにケイロン、エルベルとかいう駄乳エルフだったな」
思い出すかのように
「アンデリックとケイロン? その名前は確か、か? 」
「ん? そうだがなんか問題のある奴らなのか? 」
「エルベルってのは知らねぇがその二人は今期待の新人だぜ? 」
「ほう! やっぱ俺の
そう言い身を乗り出し喜ぶスミナ。
ライカは
アンデリック達の情報が少しでも欲しいのだろう、「で、で」と更に情報を
「で、あいつらなんで
「あぁこの前ゴブリン討伐の話をしただろ? 」
「ああ、それが? 」
「実はそん時に出たデビルグリズリーを倒したんだ。Fランクだというのに」
「すげー!!! 」
「ま、依頼達成数とかの問題があるからランクを最速で
ライカの話を聞いていないのか目を
「こうしちゃいられねぇ! 早速
「そいつらに「息抜きをしたら」と言われたんだろ? 少し落ち着け」
「おおっとそうだった。そうだった。だがよ、早く
こりゃどうしたものかと考え込むライカ。
自分が言ったこととはいえ、彼女に火をつけてしまったことに少しばかし
せっかく働き
「そういや何作るか思いついたのか? 」
「今の所腕輪だな。
「そういやスミナは使えたな。
「まぁ
話をアクセサリーに戻すことが出来ほっとするライカだがここで一つ思いついた。
「なら神聖魔法を
「え? 神聖魔法??? 」
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます